生死を彷徨う事故を乗り越えて。株式会社セィフティボイス・近藤忠代表が「聞こえる標識」で叶える安全な未来

この記事でわかること
- 株式会社セィフティボイスの設立背景と事業の全貌
- 代表・近藤忠氏の「生死を分けた実体験」と経営哲学
- 特許出願中の「道路標識注意喚起アプリ」がもたらす革新的な価値
- スタートアップ創業期におけるリアルな苦労と意思決定の裏側
なぜこの企業に注目すべきか
「信頼されるソフトウェア開発のパートナー」をビジョンに掲げながらも、株式会社セィフティボイスの真の目的は単なるシステム受託開発ではなく、「交通情報注意喚起アプリ」を通じた交通事故の撲滅という明確な社会課題解決にあります。
代表の近藤忠氏は、警備業界やイベント業界で長年「安全」に向き合ってきたプロフェッショナルであり、自身も壮絶な交通事故を経験した当事者です。
創業直後から多くの大手企業が提携や買収に動くほど注目を集める同社の原動力と、近藤代表の「ブレない哲学」に迫ります。

会社概要
- 会社名:株式会社セィフティボイス
- 公式サイト:https://safety-v.xyz/
- 代表者:代表取締役 近藤 忠
- 所在地:東京都中央区日本橋室町1-11-12 日本橋水野ビル7階
- 設立:2024年10月18日
- 事業内容:交通情報注意喚起アプリの開発(特許出願中)、アプリケーションソフトウェアの企画・開発
- ※本事業は一般的な受託ソフトウェア開発ではなく、自社の特許技術を活かしたプロダクト開発がメインとなっています。
創業ストーリー
なぜこの事業を始めたのか:「見る」標識から「聞こえる」標識へ
近藤氏が交通情報注意喚起アプリの開発を思い立った原点は、「単純に交通事故を防止したい」という極めて純粋な思いでした。
近藤氏はエンジニア出身ではなく、ITには無縁の世界で生きてきました。しかし、警備会社で日本トップクラスの安全対策・道路封鎖のノウハウを培い、イベント業界で数万人の安全を守り続けてきた「安全管理のプロフェッショナル」としての眼差しがありました。
ある時、物流業界での外国人ドライバーの増加や、高齢者の運転に関する課題を耳にし、「道路標識は『見る』ものだが、見落としが発生する。
ならば『音(声)』で聞かせればいい」という逆転の発想に至ります。これが、Safety(安全)とVoice(声)を組み合わせた社名「セィフティボイス」の由来でもあります。
創業時の苦労:群がる「お金の匂い」とブレない信念
最初は個人的なアイデアに過ぎませんでしたが、リサーチを進めると物流業界だけでなく、一般企業やレンタカー業界からも想定以上の反響がありました。
2024年10月の法人化の直接的な契機は、なんと大手企業の関連会社から「会社を買い取りたい」「一緒に事業をしたい」という打診があったことでした。
しかし、事業の公共性の高さと「大きなお金が動く気配」を嗅ぎつけた、本来の目的とは異なる人々も多数接近してきたと言います。近藤氏の目的は金儲けではなく「事故を減らすこと」です。
「金儲けのために会社を買って、結局事故が減らないような企業には売りたくない」と、目先の利益ではなく社会課題解決を第一に掲げ、幾度も交渉を断ってきたことが創業時の最大の苦労でした。
事業の特徴
競合との違い:景気に左右されない「絶対的ニーズ」
イベント業界時代にコロナ禍や世界情勢の悪化によるスポンサー離れを経験し、会社の存続すら危ぶまれる事態を味わった近藤氏。
「事故を減らす」という本事業は、時代や世間の情勢に一切左右されない絶対的なニーズ(公共性)を持っています。他社が「利便性」や「効率化」を競う中、同社は「命を守る」という根源的な価値に特化している点が最大の強みです。
強み:「迷ったら止める」警備の鉄則をシステム化
「警備の世界では、迷ったら止めれば絶対に事故は起きないんです」と近藤氏は語ります。この現場で培われた絶対的な安全哲学が、特許出願中のアプリの根底に流れています。
提供価値:信頼のネットワークによる確実な社会実装
自社で全てを抱え込むのではなく、開発は信頼できる技術力の高い企業に依頼し、地図会社や国交省、政治家といった公的なステークホルダーを巻き込むことで、一企業を超えた「公共性の高いインフラ」としての信頼を担保しています。

インタビューQ&A
Q. アプリ開発の世界に入ったきっかけを教えてください。エンジニアのご出身ですか?
A. 全く違います。むしろパソコンも使えないくらいです(笑)。きっかけは、単純に「交通事故を防止したい」という思いだけです。
前職の警備会社やイベント業界で、どうすれば道路を安全に動かし、人の命を守れるかを毎日考え続けてきました。その延長線上で、外国人の方や高齢者の事故を防ぐアイデアが浮かび、周りの協力のおかげでアプリの完成に近づいているという形です。
Q. 「セィフティボイス」という社名にはどんな思いが込められていますか?
A. これまでの道路標識は「見る」ものでした。しかし、見るだけでは見落としてしまう。だったら「聞こえる」標識にしよう、声(音)で伝えようと考えました。「Safety(安全)」を「Voice(声)」で届ける、そのストレートな思いから名付けました。
Q. 創業直後、想定外だったことは何ですか?
A. 想定以上に需要があったことは良い意味での驚きでしたが、苦労したのは「お金の匂い」を嗅ぎつけて変な人たちがたくさん寄ってきたことです。
「お金を出すから権利をよこせ」といった話や、単なるマネーゲーム目的での買収話も相当来ました。私は事故を減らすためにやっているので、本気で社会課題を解決する気がない企業には売りたくないと断ってきました。
Q. 「信頼のソフトウェア開発」という理念を体現するために、こだわっていることは?
A. 私はアイデア(特許)を出し、実際の開発は技術力と信頼性の高い会社にお願いしています。
信頼を担保するために、しっかりとした開発パートナーを選ぶことはもちろん、地図会社や国交省、さらには国会議員など、様々な団体・機関と連携し、事業の公共性を固めながら進めている点が私たちのやり方です。
Q. 日本橋・中央区に拠点を構えた理由を教えてください。
A. 五街道のスタート地点である日本橋という場所が好きだったことと、ご縁があって最初の事務所をお声がけいただいたからです。
また、支援してくれているコミュニティの方々が気軽に集まれる場所にしたいという思いもあります。将来的に本格的なオフィスを構える際も、このエリアを軸に考えています。
Q. どんな企業・経営者と相性が良いですか?
A. 社会課題の解決に本気で取り組みたいと考えている企業さんですね。ストレートに「事故を減らして良い社会にしよう」という想いに共感してくれるところとは非常に相性が良いです。
逆に、「これを導入して(金銭的に)何が変わるの?」としか思わない、安全への意識がない会社とはお話ししても仕方がないと思っています。
Q. 現在、経営者として最も頭を悩ませていることは何ですか?
A. 開発資金は集まったので、これからの営業戦略のフェーズに入っています。一番気にしているのは「変な会社と組まないこと」です。
ここまできて、パートナー選びで失敗するわけにはいきません。信頼できるメンターに相談しながら、慎重に進めています。
経営者の価値観
「嫌なことはしない」「嫌な人とは仕事しない」
近藤氏の経営哲学は非常に明快です。「無理をして嫌なことをやって、良い結果が出たことは一度もない」と断言します。周囲からはIPO(上場)を勧められることもありますが、「なぜ自分が窮屈なIPO企業の社長にならなければいけないのか。嫌な人とは仕事をしたくない」と、自らのスタイルを貫いています。
「安全で楽しい」が社会の活力を生む
「社会にとって『安全で楽しい』ことが絶対に必要で、それが人々の元気に繋がる」。イベント業界で培ったこの哲学は、アプリ開発になっても変わりません。「アプリのおかげでいつの間にか事故が減っていた。そう言われるのが一番ありがたい」と語気を強めます。
今後のビジョン
少数精鋭の「メーカー」としての立ち位置
3年後、5年後の展望として、自社で営業マンを大量に抱えるつもりはないと語ります。
「私たちはメーカー(卸)の立ち位置になり、販売や普及は理念に共感してくれる大手企業や各業界のパートナーに任せたい」という独自の成長戦略を描いています。
座標データを活かした新領域への展開
アプリの仕組みがシンプルだからこそ、カスタマイズの依頼も多く舞い込んでいます。
港湾でのコンテナの配置管理、火力発電所やコンビナートの安全管理、さらにはゴルフ場のカート管理まで、位置情報(座標)を使った課題解決の要請が来ており、新たな事業進化の種となっています。
次なる「社会課題の解決」へ
事業が軌道に乗り資金的な余裕ができれば、沖縄の地方創生、廃棄物問題、子ども食堂の支援など、周囲から持ち込まれる多種多様な社会課題の解決にも取り組んでいきたいと、その目はさらに先の未来を見据えています。

読者へのメッセージ
「事故の恐ろしさを知るからこそ、絶対に防ぎたい」
近藤氏がここまで「事故ゼロ」に執念を燃やすのには、ある壮絶な実体験があります。
「実は私自身、何度も死にかけるような交通事故に遭っています。大雨の日に後ろから追突され、車がスピンして中央分離帯を越え、反対車線に飛んで車が炎上しました。レスキュー隊にドアを切ってもらって助かったこともあります。また、信号待ちで13トントレーラーに突っ込まれたことも。その時はPTSDになり、毎晩夢に出てきて1年近く薬を飲み、仕事もできない状態になりました」
自分は悪くなくても、一瞬で人生を奪われるのが交通事故の恐ろしさです。「この一生モノの苦しみを、他の誰にも味わってほしくない。だからこそ、交通情報注意喚起アプリで事故をなんとかしたいというのは、綺麗事ではなく本当の実体験から来る切実な思いです」。
この思いに共鳴し、ともに社会課題の解決に挑んでくれる企業や経営者と出会いたい。それが、近藤代表からの力強いメッセージです。

まとめ
この記事のポイント
- 社会課題への執念:幾度もの生死を彷徨う実体験から生まれた、嘘偽りのない「交通事故ゼロ」への情熱。
- 独自のソリューション:見る標識から「聞こえる」標識への転換。特許出願中のシンプルな仕組みが持つ無限の可能性。
- ブレない経営哲学:「嫌な人とは仕事しない」「お金の匂いがする企業には売らない」という、本質的な価値を見失わない意思決定。
どんな企業におすすめか
株式会社セィフティボイスは、単なるアプリ開発を依頼する外注先ではありません。
「自社のリソースを活用して、共に交通安全という社会課題を解決したい」と考える大手企業、物流企業、インフラ関連企業、あるいは「安全」をミッションに掲げる経営者にとって、最強のパートナーとなるはずです。

ここまで記事を読んでいただき、ありがとうございました。
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