大手ができない領域を狙う。株式会社アスライク代表・矢野智与が語る、若者と経営者をつなぐビジネスモデル

現代のビジネス環境において、コミュニティ運営や地方創生を掲げる企業は数多く存在します。しかし、株式会社アスライクは一般的なコミュニティビジネスとは一線を画しています。
若者の行動力と経営者の資金力を掛け合わせ、大企業が手を出せない泥臭い領域に戦略的に入り込むことで、独自のポジションを確立しているからです。
本記事では、公式サイトには載っていない矢野智与氏の生の声を通して、同社が急成長を遂げている理由と、次々と新規事業を生み出す裏側にある生々しい一次情報をお届けします。
この記事でわかること
- 株式会社アスライクの独自性あふれるビジネスモデルと収益構造
- 代表取締役である矢野智与氏の波乱万丈な創業ストーリーと経営哲学
- オンラインサロン「GOAT」や地方創生事業がもたらす新しい価値
- これからの時代に求められる、世代を超えたコミュニティのあり方

会社概要
会社名:株式会社アスライク
公式サイト: https://as-likes.com/
代表者:矢野 智与(やの としのぶ)
設立:2023年5月
事業内容:オンラインサロン「GOAT」の運営、ジビエ事業、高齢者おせっかいプロジェクト、地方創生(大使館プロジェクト・県人会運営)など
創業ストーリー
なぜこの事業を始めたのか
矢野智与氏は銀行員としてキャリアをスタートさせた後、営業会社であるアイドマ・ホールディングスを経て独立を果たしました。
創業当初は営業代行やビジネスマッチングの事業からスタートしましたが、その根底には「自分だけが代表としてトップに立つのではなく、仲間たちがそれぞれやりたい事業を持ち、全員が代表になっていくようなコミュニティを作りたい」という強い思いがありました。
この「挑戦が循環する社会をつくる」というビジョンは、矢野氏自身の生い立ちに深く起因しています。親から何かを反対されることなく、やりたいことを常に応援してもらえる環境で育った矢野氏は、20代のうちに自分一人の力だけで圧倒的な成果を出すことの限界を悟りました。
だからこそ、多くの人に可愛がられ、引き上げてもらう必要性を痛感し、挑戦したい若者と彼らを引っ張る経営者が循環するエコシステムを作りたいと考えるようになったのです。
創業時の苦労
理念を掲げて順風満帆にスタートしたかに見えた株式会社アスライクですが、創業直後には想像を絶する苦難が待ち受けていました。

なんと創業からわずか3ヶ月で、当時の副社長が法人のクレジットカードを不正利用して失踪してしまい、いきなり500万円もの借金を背負うことになったのです。
さらに、事業を拡大しようと正社員を13名雇用した際にも大きな壁にぶつかりました。社員が増えた瞬間に全員の方向性やモチベーションのベクトルがズレてしまい、組織として機能しなくなるという挫折を味わったのです。しかし、矢野氏はこの失敗から「今の時代は専属で一つの会社に縛られて働く時代ではない。
収入、人脈、スキルなど、目的に応じて分けて働くべきだ」という教訓を得ます。その結果、正社員雇用という形態を手放し、現在の主軸であるオンラインサロン「GOAT」という新しい事業系コミュニティの形へと舵を切ることになりました。
事業の特徴
競合との違い
コミュニティビジネスを展開する企業が多い中で、株式会社アスライクの最大の違いは「金にならない面倒くさいことを戦略的に取りに行っている」という点にあります。
多くの企業が効率化を求める中、あえて泥臭い領域に踏み込むことで独自の価値を生み出しています。
また、自社のコミュニティにメンバーを囲い込むのではなく、「他の場所にもどんどん所属していい」というオープンな姿勢を貫いているのも、従来型のオンラインサロンとは大きく異なるポイントです。

強み
圧倒的な強みは、大企業が思いついても実行できない施策を、若者の力を使って実現する実行力です。例えば、高齢者向けのプロジェクトでは、地域の公園でラジオ体操を開催して集客を行っています。
これを大企業が社員にやらせようとすればハラスメント問題になりかねませんが、アスライクは学生や若者の活力としてこれを行い、その活動に対して大企業から資金を引っ張るという独自の収益構造を構築しています。
提供価値
アスライクは、若者には「時間と行動力」を、経営者には「資金と人脈」を提供してもらう相互補完の場を作り出しています。
スキルや実績がなく差別化に悩む若者に対し、SNSのフォロワー数やAIの技術ではなく、信用や信頼という「信頼貯金」の作り方を教えています。
これにより、参加する若者は出会う層が劇的に変わり、経営者側も次世代の才能や新しい事業アイデアに触れることができるという、双方にとってかけがえのない価値を提供しています。
インタビューQ&A
Q. オンラインサロン「GOAT」の現在の規模や、具体的な活動内容について教えてください。
A. 現在は20名から30名ほどのメンバーで構成されており、割合としては若者が7割、経営者が3割という構成になっています。
主な活動としては、お互いのビジネスを紹介し合う会議や、経営者の方に対して直接壁打ちができる時間を設けています。また、常に複数の新規事業を走らせており、参加メンバーにはその事業のポジションについてもらい、実地で事業経営を学んでもらうような取り組みも行っています。
GOAT発の新しい会社も設立していますが、私は代表にはならず、色々な人にチャンスを配る仕組みにしています。
Q. ジビエ事業や高齢者おせっかいプロジェクトなど、多岐にわたる事業展開の狙いは何ですか?
A. ジビエ事業を始めた理由は大きく2つあります。
1つは、今後AIなどのテクノロジーが進化すればするほど、逆に本能や人間らしさを求める層が必ず出てくると考えたからです。もう1つは、ジビエというコンテンツを通じて、すでに事業が成功して時間的・金銭的に余裕のある経営者層と繋がるためです。
高齢者おせっかいプロジェクトに関しては、学生たちがアルバイトの代わりに、自分たちが学んでいることを高齢者に教えたり、高齢者が後回しにしがちな面倒なことを「おせっかい」として片付けてあげる活動です。
若者は高齢者への貢献というブランディングを得ながら稼ぐことができ、高齢者はやりたいことに時間を使えるようになるという好循環を生んでいます。
Q. 東京で地方創生を行う「大使館プロジェクト」とはどのような仕組みですか?
A. 私たちがやっている地方創生は、実際に現地へ移住するような形ではなく「東京にいるからこそできる地方創生」です。
具体的には、大分県や宮崎県、広島県、北海道など、各都道府県の「県人会」を東京にいる若者たちが主催する仕組みを作っています。 例えば、M&Aの仲介会社が地方の企業に事業承継の営業電話をかけても、社長にはなかなか繋がれません。
しかし、東京で開催する県人会をフックにすると、「同じ県出身で将来起業したい若者が東京にいるので会ってくれませんか」と提案でき、社長への窓口が劇的に開きやすくなります。東京の企業と地方の課題を直接つなぐパイプとして、この県人会が非常に機能しているのです。
Q. 矢野さんが一緒に仕事をする人を選ぶ際、どのような基準を持っていますか?
A. 一番見ているのは「お金の使い方」ですね。何にお金を使っているのかを重視しています。
例えば、面談の後などに食事に行こうとなった際、やたらと高級な会食を選びたがる人とはあまり一緒にやりません。私自身も私のメンターもそうですが、「飲み放題が趣味」と言えるような、気取らずにご飯が美味しいお店を選ぶような人たちと一緒にビジネスを作っていきたいと思っています。
経営者の価値観
大切にしている考え
矢野氏が最も大切にしている価値観は「正解じゃなくていい。面白いほうへ進め」という言葉に集約されています。矢野氏自身、「苦手なものは努力しても得意にはならない」という持論を持っており、自分が一番面白いと感じて心が躍る方向へ進むべきだと語ります。
他人から見れば血の滲むような努力に見えることでも、本人はただ好きだから夢中でやっているだけ。この状態を作り出すことがビジネスにおいて一番強い状態であると確信しています。
だからこそ、世間一般の正解ばかりを選んで自分の嫌いなことを我慢するのではなく、純粋な面白さを追求する姿勢を貫いています。
経営哲学
関わるスタッフやメンバーに対しては、「その人が今後どうなっていきたいか」という個人のビジョンを最も重視しています。
また、事業を進める上で障害となるのは、誰も悪意を持っているわけではなく「それぞれが持っている当たり前の価値観」だと分析しています。親世代や上の世代が良かれと思って教えてくれる成功法則も、時代が変わればズレが生じます。
その過去の当たり前を押し付けることなく、時代に合った最適な距離感を保ちながら支援していくことが、これからの経営者に求められる役割だと考えています。
今後のビジョン
目指している未来
株式会社アスライクとして、5年後や10年後の明確な売上目標や従業員数の目標は一切掲げていません。
矢野氏が目指す究極の理想は、自身と関わったメンバーたちが次々と新しい事業を立ち上げ、それぞれが会社の代表となって世の中に貢献していく姿を見ることです。
矢野氏個人としては、いつまでも「チャンスを配れる人間」であり続けたいと語ります。

新しい挑戦
現在ある程度ビジネスモデルとして確立してきたジビエ事業や高齢者事業に加え、今後はさらに「地方創生」の事業を深掘りしていく予定です。
東京と地方をつなぐ県人会モデルにはまだまだ無限の可能性が眠っており、若者の力を使って日本全国の事業承継問題や地域課題を解決していく新しい挑戦を加速させていきます。
読者へのメッセージ
「今まさに挑戦したいけれど、なかなか一歩を踏み出せずにいる方へ。難しく考える必要はありません。自分が直感で『この人いいな』と思った人がいれば、まずはその人について行ってみてください。誰と出会い、誰と進むかで、あなたの可能性は大きく広がっていきます。」
まとめ
この記事のポイント
- 株式会社アスライクは、若者と経営者をつなぎ、お互いの強みを活かす新しい形のコミュニティ「GOAT」を運営している。
- 創業時の借金や組織崩壊という痛烈な失敗から、正社員雇用にこだわらない柔軟な組織形態を導き出した。
- 大手企業にはできない「泥臭く面倒くさい領域」に戦略的に入り込むことで、独自のポジションと収益構造を確立している。
- 東京にいる若者を起点とした「県人会」を通じ、地方企業の事業承継やM&Aの入り口を作るという画期的な地方創生を行っている。
- 売上目標を追うのではなく、関わった仲間たちが全員代表になっていくようなエコシステムの構築を目指している。
どんな企業におすすめか
- 自社のコミュニティビジネスに限界を感じており、新しい巻き込み方を模索している経営者
- 事業承継や地方企業のM&Aにおいて、経営者との強力な接点(パイプ)を探している企業
- 大企業では実行しにくい泥臭いマーケティングや集客を、若者の活力を借りて実現したい企業
- 次世代を担う優秀な若手起業家や人材とのネットワークを構築し、新規事業の種を見つけたい方

ここまで記事を読んでいただき、ありがとうございました。
経営者のストーリーには、会社のホームページや営業資料だけでは伝わらない
「なぜこの事業を始めたのか」という想いがあります。
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