株式会社Co create・三浦雅弘氏が描く、顧客基盤を資産に変えるコミュニティ型ビジネス

「誰もが損をしない、社会がより良くなる仕組みをつくりたい」
資本主義のあり方が問い直され、利益の追求と社会課題の解決をいかに両立させるかが、多くの経営者にとって喫緊の課題となっている。
そんな中、伊藤忠商事グループという世界を舞台にしたビジネスの最前線からスタートアップへと転身し、独自の「分散型ECプラットフォーム」を展開しているのが、株式会社Co createの代表取締役・三浦雅弘氏である。
ゼロから立ち上げた事業をわずか3年で売上20億円に成長させた起業家としての実績を持ちながら、現在彼が注力しているのは、コミュニティと「信頼」を基盤とした新しい経済の仕組みづくりだ。
本記事では、三浦氏の商社時代の経験から、主力事業「はぴこ」に込められた哲学、そして既存の福利厚生サービスや巨大プラットフォーマーとも異なる「人間関係の深掘りマーケティング」の全貌に迫ります。
自社のコミュニティ活用や新規事業を模索する経営者にとって、未来を切り拓くためのヒントがここにある。
ゼロから20億へ – 商社で培った事業を創る力

三浦雅弘氏は大学卒業後、伊藤忠燃料株式会社(現:伊藤忠エネクス株式会社)に入社し、伊藤忠商事との横断型チームで環太平洋地域の新規事業開発やM&Aを牽引しました。
この時期に携わった太平洋諸国でのBase of Pyramid(BoP)プロジェクトを通じて、グローバルな貧困問題などの社会課題に直面したことが、現在の事業の根底に流れる哲学となっています。
商社時代にトップマネジメント層と共に事業を創り上げた経験は、物事を俯瞰し、多様なプレイヤーを繋ぎ合わせて新たなビジネスを生み出す「癖付け」となりました。
その後、三浦氏は自動運転技術(ADAS)の販売会社を立ち上げます。商社時代の人脈に頼ることなく全くのゼロから関係性を構築し、わずか3年で売上20億円規模へと急成長させました。
しかし、自身が株式を保有していなかったことや経営陣の変更が重なり、「もう一度、自分の手で新しい会社を作ろう」と決意し、現在の株式会社Co createを創業。
船出は決して平坦ではありませんでした。創業直後に新型コロナウイルスのパンデミックが直撃し、開発を担うエンジニアのコスト高騰や、想定通りに進まない資金調達など、幾度となく「もうダメかもしれない」という危機に直面したと言います。
それでも、谷底に突き落とされるたびに、三浦氏の描くビジョンに共感し、「一緒に海外でやろう」「こうすればもっと面白くなる」と手を差し伸べる新たな支援者が現れ、幾多のピンチをチャンスに変えながら事業を前進させてきました。
画一的な福利厚生からの脱却 – 横の繋がりを生む「はぴこ」

現在、同社の主力プロダクトとなっているのが、コミュニティ単位で導入できる分散型ECプラットフォーム「はぴこ」です。
従来の福利厚生サービス(リロクラブやベネフィット・ワンなど)は、「全社員が同じものを使えなければならない」という画一的なものであり、企業側が負担する1人あたりの月額コストもハードルとなっていました。また、Amazonや楽天などの巨大ECモールは、プラットフォームが物流やインフラを握り、垂直方向に市場を拡大していくビジネスモデルです。
対して「はぴこ」は、人間関係をベースに「横(水平方向)」へと広がっていく全く新しい概念のサービスです。初期費用11万円から、月額6,578円から導入でき、コミュニティのオーナーが独自のサービスや商品を自由に配置できる設計になっています。
例えば、2万5,000人規模の国際マラソン大会が「はぴこ」を導入したケースでは、これまで大会当日だけの関係で終わっていたランナーとスポンサーの縁が、大会終了後もオンライン上で繋がり続けます。
さらに、「シンガポールから参加したランナーだけ」といった細分化されたクローズドなコミュニティに対し、特別なテストマーケティングを行うことも可能になります。
他にも、墓じまいをした後も檀家とお寺の縁を繋ぎ止めるコミュニケーションツールとしての活用や、世界中に散らばる「日本刀コレクター」を束ねる独自モールの構築など、特定の興味関心や信頼を軸にした独自の経済圏を無数に生み出すことができるのです。
レガシー企業の壁を越える 特許技術と運用サポート

この「はぴこ」の仕組みは、顧客基盤の活性化に悩む大企業にとって強力な起爆剤となります。
例えば、ガスなどのインフラ系企業は、長年特定のサービスのみを提供してきましたが、「はぴこ」を導入することで、既存の顧客に対して生活全般をまるごとサポートするような付加価値を提供できるようになります。
自前で同様のシステムを開発したり、既存の福利厚生サービスに依存したりすれば莫大なコストがかかりますが、「はぴこ」であれば低コストで独自性の高いサービスを立ち上げることができます。
実際に、5,000人規模の組織で導入した結果、退会率が約3%減少するという明確なエンゲージメント向上の実績が出ており、導入したコミュニティオーナーの中には半年で1,000万円規模の純利益を生み出す新規事業を作り上げたケースもあります。
同社のモデルは高く評価されており、三菱重工、朝日新聞、東京ガス、日本郵便といった名だたる大手企業からの出向受け入れ実績も持っています。
ただし、プラットフォームを提供するだけでは成功しません。導入企業の熱量が下がり、システムが放置されてしまう運用の壁も存在します。そのため同社は、情報発信のノウハウ提供や教育プログラムの構築に力を入れ、コミュニティ運営が自走するためのサポート体制を強化しています。
AIには代替できない特許「リレーションマイニング」とWeb3の融合

株式会社Co createの最大の強みは、これらの「リレーションマイニング」の分野で特許(第7418054号)を取得している点にあります。 GAFAなどの巨大IT企業は、1つの企業が何億人もの個人の行動を解析する領域で特許を独占していますが、Co createは「集団の人間関係の中での行動解析」という独自の領域を押さえています。
三浦氏はこれを、「お寺の和尚さんから直接聞く、信頼度の高い情報伝達モデル」をWeb上で再構築する試みだと語ります。情報が氾濫し、何が正しいか分からない現代において、「あの人が言うなら間違いない」という人間同士の深い信頼関係こそが最強のマーケティングになります。
実際に、AIでは測りきれない「コミュニティ内の口コミ」だけで外国人にお金を貸し出し、デフォルト率をわずか2%に抑えている金融サービスの事例があるように、AI時代において「信頼関係の領域」は極めて重要な価値を持ちます。
さらに同社は、2024年3月にWeb3関連ソリューションを手がける株式会社UPBONDと業務提携を結びました。ブロックチェーン技術を活用し、プラットフォーム側が個人情報を保持することなく、見えない人間関係の価値だけを安全に機能させるという、全く新しいデータ管理の形を目指しています。
消費が自然な社会還元に – 利益と課題解決の両立

「はぴこ」の根底には、「誰もが損をしない社会をつくる」「境界線のない世の中を共創する」という強いミッションがあります。 これを体現しているのが、利用するたびに利益の一部が社会還元される仕組みです。
ユーザーは、クローズドな環境で通常より安く商品を購入できます。そして、自分の財布から身銭を切る痛みを伴わずに、割引された利益の一部が自動的に子ども食堂などの運営費として寄付される設計になっています。
これは、人々の日常的な消費行動そのものが社会を支える基盤となる、次世代のファンドレイジングの形です。日本フィランソロピー協会などの公益財団法人とも連携し、この新しい社会還元モデルの社会実装を進めています。
また、EC領域にとどまらず、飲食業界の課題解決に向けた「はぴこforキッチン」も展開し、業界の垣根を越えた共創を生み出しています。
信頼を資産に – 利益と社会還元を両立する未来
三浦氏が語る「共創」とは、単なる企業間のコラボレーションではありません。それは、ユーザー自身がサービスの単なる受益者ではなく「共創者」となり、プラットフォーム上で共に価値と社会還元を生み出していくという、全く新しいビジネスの在り方です。
自社の休眠顧客を熱狂的なコミュニティへと変えたい。あるいは、本業の顧客基盤を活かして、利益創出と社会課題解決を両立させる新規事業を立ち上げたい。
そう考える経営者にとって、「人が人を信頼する力」をテクノロジーで事業化する株式会社Co createは、これからの時代を共に切り拓く、類まれなるパートナーとなるはずです。
【会社情報】
会社名 : 株式会社Co create
所在地 : 東京都千代田区神田鍛冶町3-7-21 天翔神田駅前ビル808
設 立: 2019年11月
Webサイト:https://cocurie.com/

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