15万件超のマッチング実績が生む「紹介で売上を動かす」仕組みとは|つつみこみ企画株式会社 小田原司インタビュー

「名刺交換だけで終わる交流会に、意味はあるのか?」

多くの経営者やフリーランスが、人脈構築のために交流会やビジネスマッチングサービスを利用しています。しかし、実際に商談や売上につながっているケースは驚くほど少ないのが実情です。

名刺だけが増え続け、フォローアップもできないまま時間だけが過ぎていく…そんな悩みを抱えている方は少なくないでしょう。

つつみこみ企画株式会社の代表取締役・小田原司氏は、この課題に対して独自のアプローチで答えを出してきた人物です。営業経験20年、15万件を超えるマッチング実績、そして1万人以上の経営者との対面経験を持つ小田原氏の「紹介」は、単なる人の引き合わせではありません。

AIマッチングが普及する時代において、なぜ「人が介在する紹介」に価値があるのか。交流会で成果が出ない人は何を間違えているのか。そして、人脈を本当の意味で「資産」に変えるには何が必要なのか。

本記事では、つつみこみ企画株式会社・小田原司氏へのインタビューを通じて、ビジネスマッチングの本質と、紹介で売上を動かすための具体的な仕組みに迫ります。

前職での経験が生んだ、紹介事業の「反省」と「改善」

まず、前職での経験と独立のきっかけについて教えてください。

元々営業として入社して、コロナ前はリアルの交流会の責任者なんかもやっていました。途中から顧客に対しての紹介業務を任されるようになったんですが、そこでの反省点があって、それを改善して今のサービスを構築したという経緯があります。

反省点というのは、紹介は売上に直結する内容なので期待値が上がりやすいんです。でも無理やり営業して契約を取ってしまうと、期待値が揃っていない状態でクレームになることがあったんですね。

だから今は、期待値を揃える意味でも依頼がないと受けない。顧客解像度もしっかり高めています。

独立は計画的だったのでしょうか?

独立したかったというよりは、前の会社を辞めて「どうしようかな」となった時に、自分ができるスキルや経験があったので、ちょっとやってみようかなと。前職での反省点を改善してオリジナルのサービスを作ってみたら、意外と人気があったという感じですね。

20年のキャリアで変わった営業スタイル

20年以上のキャリアの中で、営業スタイルが変わった瞬間はありましたか?

前職の時にいろんな方とお会いして関係値を構築する中で、営業だと積極的にこちらから企画提案していくことが多いと思うんですが、周りに対してギブするというところで人を紹介したりすることで、周りからの信頼もついてきました。

現状、営業はしていないんです。こちらからお客さんを獲りにいくスタイルではなく、お願いされるスタイルになった。これが大きく変わったところですね。営業せずとも、自然と相手が欲しくなるような状態になっています。

「つつみこみ企画」という社名に込めた想い

「つつみこみ企画」という社名には、どんな思いが込められているのでしょうか?

実は結構適当で(笑)。最初、ビジネスをやっていた時に人をグルーピングして募っていくわけですけど、「人を囲う」みたいな表現をしていたんです。でも「囲う」は綺麗じゃないから、「包む」っていう暖かい言葉にしようと思って。

実際、周りを包み込んでる感じはあるので、周りと仲良くしますし、関係も一定数保てています。自分の身の回りの方がより良くなるように、本当に包み込むようなイメージでやっています。

15万件超のマッチングを支える「直感」と「統計」

現在、15万件超のマッチング実績があるとのことですが、マッチングの判断はどのようにされているのでしょうか?

一つは、15万件本当に繋いでいるので実践値があるんです。実践値と自分の統計値があるんですね。

例えば事業シナジーで見るのはもちろんなんですが、同じ年齢層だから、同じ居住地だから、趣味が合うから。あと性格も結構見ています。論理的タイプ同士で合わせるのか、逆に論理とパッションタイプは合わないよね、とか。そういうプラス直感的なところですね、過去の経験値から来る。

その情報は、すべて頭の中に?

基本は何回もやり取りするから記憶しているので、全部記憶しているという、ちょっと特殊な感じです。

あと補足で言うと、1万人以上の経営者と会っているので、あらゆる知見が溜まるんです。だからベースの知見がある中で実践値を元に紹介しているから、この知見があるというところも多分生きているんでしょうね。より精度を高める、という。

うまくいくケース、期待通りにならないケース

マッチング後、うまくいくケースと期待通りにならないケースの違いは?

これ、意外とサバサバしていてですね。そもそもうまくいく、いかないはお互いの話なので、明らかに相性みたいなのはあるかもしれませんが、基本はうまくいくケースは良かったねとなるから、相性が良いところだけ僕は仲良くすればいいと思うんですよね。

期待通りにならないケースは、今後お付き合いしなくていいと思っているので、なるべくその中で合うところだけをやっていけばいい。

ただ、反省点を踏まえて顧客からフィードバックをいただいているので、なるべくそうならないようにはしています。どうしても会ってみないとわからない時もあるんですが、うまくいく時は直感的に「この人たち合うんだろうな」って分かる時があります。性格的に。それは結構当たりますね。

信頼関係構築の仕組み化

顧客との信頼関係はどのように構築されていますか?

大体今70社くらい顧問先がいる中で、最近だと10社前後くらいは紹介をする、イコールギブをしている形になるので、一定ベースの信頼が勝手に構築される仕組みになっているんです。

あと、僕が貢献している先は、僕の顧客に対して優しい方が多いですね。協力的な体制の人が。全員とは言いませんが、そういう風になっている人はなっています。

他社サービスとの決定的な違い

同じようなビジネスマッチングサービスは多いと思いますが、小田原さんのサービスの違いは何でしょうか?

やっぱり関係値ができているのと、僕自身が過去の実績なども踏まえて紹介しているから、割とずれがない印象があります。これは別に僕が言っているんじゃなくて、周りからも言われるんです。

あとは、こっちから営業とかやっているわけじゃないから、ちょっとクローズドなサービスというところで違うかもしれないですね。別に無理してSNSとかで拡散して集客を広めていくわけでもないし、あくまでも口コミです。

もう一つ大きな違いは、総合力を高めるというところです。僕からのリードだけではなく、リードを出してくれるようなパートナー作りも一緒にやっていくんです。それによって再現性、持続性があるというのが違いかもしれません。

コンサル会社とかだと、多分大手OBのリストで攻めるけど、枯れるまでは良いけど枯れたら終わりじゃないですか。僕のサービスは、僕だけに頼らないで周りも仲良くしておけば、そこから紹介が来るわけですから。

ビジネス交流会で成果が出ない人の「落とし穴」

ビジネス交流会に参加しても成果が出ない人が多いと聞きます。その原因は?

要は、交流会が悪いとか、その人が悪いとかではなく、自分に矢印が向いている人が多いんです。

なるべく相手にお役に立てるような姿勢で臨むと、「ぜひ今度会いましょう」となったりします。あとは、そもそも選べていない。質が低めの交流会に出ている時点で、スタートが違うこともあります。

立ち回り方、姿勢、自分自身のビジネスに対しての考え方、そして交流会の選定。この辺りが重要ですね。

「紹介営業」の本質的なギャップ

「紹介営業」という言葉に対して、業界の外から見た印象と実態にギャップはありますか?

結局、紹介といっても自分が紹介をもらうための営業になっている人が多いんです。それは自分目線なんですね。

本当にできているトップ営業マンとか売れている法人は、相手目線でサービス提供しているから、勝手に紹介が来るんです。同じ「紹介」でも、真逆のことをやっている。そこがギャップですね。

印象に残る成功事例

これまでで最も印象に残っている成功事例を教えてください。

実際に開示してもいいと言われているので、株式会社SparkNowでコミュニティやデジタル名刺事業をされている樫根さんの事例ですね。元々は受託開発で受注している会社なんですが、僕の顧客同士だったので繋いだら、開発って受注が難しいと思うんですよ、タイミングとか予算もあるから。

でも、1,000万円の直受注がまず決まって、それが2,000万円からアップセルして7,000万円で受注したという実績があります。僕の紹介では多分一番大きい単価ですね。

数字上のインパクトとしてやっぱりでかいですよね。「一生やめないでしょ」っていう(笑)。

お断りするケースとその理由

これまでにお断りしたケースはありますか?

お金払うから紹介してよ、みたいな高圧的な方とか、気分的に受けたくないなって人はお断りしています。

あと自分目線すぎる人。最近だと特に、リードだけくださいみたいな、自社思考が強くて相手思考じゃない方はちょっとお断りするかもしれません。

結果論的にも、リードだけを求める人は絶対売上が上がっていないんですよ。なぜかというと、僕しかいないから。周りも巻き込まないといけないんです。

全体の何パーセントくらいですか?

あんまりないですけどね、僕自身が営業していないので。変な人が来る確率は、大体1,000人に1人くらいです。

AIマッチング時代における「人」の価値

AIマッチングが普及する中で、人が介在する紹介の価値は今後どう変わると思いますか?

AIは便利だとは思うんですが、文字情報とか情報ベースでしかマッチングできないと思うんです。直感力みたいなものも意外と大事だったりするので、温かみとか人間味があるところは、やっぱり人が介在するところが重要なのかなと思います。

あと、僕の紹介は、皆さんに貢献しているから、僕が紹介したこと自体に価値があるんですよね。関係性があるから。それは別に僕だけじゃないかもしれませんが、そこが多分AIとは違うかもしれません。

契約継続期間と成果が見え始めるタイミング

契約を継続される方の平均的な契約期間は?

長いですね。3〜4年はあると思います。新しいお客さんもいるので、平均だと2〜4年の間くらいですかね。

成果が見え始めるタイミングは、本当に初月の人もいれば1年後の人もいます。状況によるという感じです。

例えばジュエリーの販売をしている会社は初月から売れていますし、絵画の販売も初月から売れています。物販はやっぱり売れやすいですね。

絵画販売の方は、当初は僕の紹介だけで半分の売上が立っていました。今、表にしてくれているんですが、累計で500人くらい紹介していて、4,000万円くらい売上が上がっています。

逆に一番時間がかかったのがEOS(人事評価システム)で、1年以上かかりました。でもそこから立て続けに決まっていますね。

価格設定の考え方

価格設定について、どのような考え方をお持ちですか?

僕自身もレベルが上がっているので、その時の自分自身のレベル感とお付き合いしている層の価格帯で、毎年顧問料を上げているんです。

顧問料を上げるということは、顧客がそれを当たり前に払えるような層になっているということなので、顧客の質も上がっていきます。

ただ、既存のお客さんに関しては、「そこがあって今がある」というところがあるわけだから、上げないです。これは最初から決めています。

今後3年で取り組みたいこと

今後3年で取り組みたいことや、事業として広げていきたい領域は?

よく売上とか今後の展望を聞かれるんですけど、ちょっと僕は変わっていて、自分のために売上を上げたいとは思わないんです。

ただ、顧客の層がだんだん上がってきているので、顧客と釣り合うために、より良い層と会うために、そういう意味で顧客のために売上を上げたいなというのは、意外とあったりします。

その中で、僕の事業は再現性が低いのがデメリットとしてあるので、違う事業体系は常に模索しています。例えば、物販でAmazonの広告や輸出物販のところもやっていますが。

一つ考えているのは、交流会の立ち回りが下手な人とか、ビジネスにおいて紹介営業がうまくいっていない人に対しての教育的なところですね。それをコンテンツ化して販売すると、意外と売れるんじゃないかなと思っています。それを自社でやるのも面白いかなと。

「人生を変えるほどの運命的な出会いを」の背景

つつみこみ企画株式会社の理念「人生を変えるほどの運命的な出会いを」という言葉には、何か原体験があるのでしょうか?

僕が前職のビジネスマッチングの会社に入社させてくれたのが、岡村さんという方なんです。

元々、北海道の地元の先輩がやっている会社で人と会っていた時に岡村さんと出会って、その人は渋谷で人材紹介をやっていたんですが、カフェ会をやっていたのでそこに参加したんです。それで前の会社を紹介してくれたという背景があります。

僕自身、そこに入ったからこそ今があるわけで、人生を変えるような運命的な出会いがあったんです。それを提供できるとやっぱり素敵だなということで、それをテーマにしています。

自分自身もそういう体験があったし、同時に、僕が紹介して人生が変わっている人も実際にいるんですよ。本当に、僕が紹介しなければただの会社員だった人が、普通に独立してめちゃくちゃうまくいっている若い女性の方とか。

売上的なところもそうですけど、結構運命的な出会いをもたらせているんじゃないかなというところは、結構自信がありますね。

まとめ|人脈を「資産」に変える仕組みづくり

つつみこみ企画株式会社の小田原司氏が提供しているのは、単なる「人の紹介」ではありません。20年の営業経験と15万件超のマッチング実績、そして1万人以上の経営者との対面から培われた「目利き力」と「統計値」に基づいた、再現性のあるビジネスマッチングです。

特筆すべきは、リードを提供するだけでなく、リードを生み出すパートナー作りまで一緒に行うという総合的なアプローチ。これにより、顧問契約を解除した後も紹介が回り続ける仕組みが構築されます。

「自分目線」ではなく「相手目線」。ギブの精神で周りに貢献することで、自然と信頼が構築され、紹介が循環していく。小田原氏の事業モデルは、まさに「人脈を資産に変える仕組み」そのものだと言えるでしょう。

ここまで記事を読んでいただき、ありがとうございました。

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