キーエンス×日本M&Aセンター出身の“二刀流”経営パートナー・青井雅宏が描く「企業の成長と出口」の真実

経営者の悩みは尽きない。資金繰り、組織づくり、そして自身の引き際。 

「会社をどう成長させるか」
「誰に引き継ぐべきか」
「いかにして資金調達を成功させるストーリーを描くか」

こうした問いは、どれだけ優秀な経営者であっても一人で答えを出すことが難しい。世の中には多くのコンサルタントやM&A仲介会社が存在するが、果たしてそのどれだけが、経営者の人生そのものに寄り添い、成約後の「未来」まで責任を持ってくれるだろうか。

今回は、株式会社キーエンスで全国トップクラスの営業実績を残し、業界最大手の株式会社日本M&Aセンターで数多くの事業承継を支援してきたプロフェッショナル、株式会社リアン代表取締役・青井雅宏氏にインタビューを行った。

現在は自身もユニコーン上場を目指すスタートアップ企業(株式会社カケハシ)のコーポレートデベロップメント(インハウスM&A担当)として活動しながら、自身の会社を経営する「二刀流」のスタイルを貫く青井氏。

なぜ彼は、大手という看板を捨ててまで、個人の力で経営者を支える道を選んだのか。その背景には、業界の常識を覆す強烈な原体験と、揺るぎない信念があった。

10代で学んだ『商売の真髄』と、キーエンス流『顧客起点』の徹底

青井氏のキャリアは異色だ。1990年生まれ、大阪府出身。小中学生時代、水泳でJOC(ジュニアオリンピックカップ)3連覇を達成し、日本代表として世界大会を経験。同志社大学在学中に、売上高1,000億円規模を誇る「ダイコクドラッグ」創業オーナーの秘書として2年間従事している。

「単に代金を支払って対価を得るという『消費』の感覚ではなく、投じたリソースが、それ以上の価値となって返ってくる『投資・商売としての本質』を肌で感じることができました」

 学生時代に経営者の視座をインストールされた青井氏は、卒業後、日本一の年収と営業力を誇る株式会社キーエンスに入社する。そこでも頭角を現し、2015年・2016年と立て続けに事業部売上ランキング1位を達成した。

キーエンスといえば、徹底した合理性とデータに基づく営業スタイルが有名だが、青井氏が当時の上司から叩き込まれ、今も大切にしている教えは意外にも情緒的なものだった。

「『全ての行動を、相手からの“ありがとう”で終わらせなさい』と教えられました。商談の最後はもちろん、たった一通のメール、あるいはクレーム対応であっても、最後は必ずお客様に感謝されて終わる。その基準を一挙手一投足に求めた結果が、数字にも表れたのだと思います」

さらに、顧客の「欲しい」という言葉を鵜呑みにせず、「なぜそれを解決したいのか?」「その真因は何か?」と深掘りしていくキーエンス流のヒアリング力は、現在の経営顧問業における「課題発見力」の基礎となっている。

表面的な事象ではなく、経営者自身も気づいていない本質的な課題を特定する力。これこそが、青井氏が多くの経営者から信頼される最初の理由だ。

M&A業界の異端児が見た「光と影」

その後、青井氏は日本M&Aセンターへ転じる。配属されたのは、業界知識に基づく深い専門性を有し、業界再編や専門的なシナジー創出を強みにした専門グループだった。

業界最大手である日本M&Aセンターの強みは、銀行や会計事務所との強固なネットワークによる『受託型』の営業モデルにあります。

しかし、青井氏のスタイルはそれとは一線を画していました。

「私は銀行ルートとは別に、直接オーナーのもとへ『ドアノック』で会いに行くスタイルを貫いていました。当然、最初は『譲渡する気なんてない』と門前払いです。しかし、何度も足を運び、経営の悩みを聞き、信頼関係を築いていく。そうすることで、決算書上の数字だけでは見えない、社長の想いや会社のポテンシャルを深く理解することができました」

自ら開拓し、泥臭く信頼を得てきたからこそ、青井氏は業界が抱える構造的な問題にも敏感だった。

「多くの仲介会社では、決算書の数字を見て『利益の〇倍だから株価はこれくらい』と機械的に判断し、マッチングを行います。しかし、会社ごとに文化も課題も違う。本来は『この会社の課題を解決し、最もシナジーを生む相手はどこか』を必死に考え抜くべきです」

転機は突然訪れる。前職時代、業界全体を揺るがす不祥事や株価の下落などが起き、会社のブランドが毀損する事態に直面したのだ。

「この看板で、オーナーの大切な会社を預かってよいのか」

心機一転、人生初となるスタートアップでのIPO体験を目指すために転職を決意。

「会社を辞めて、自分自身もプレイヤーとしてIPOを目指すスタートアップ(株式会社カケハシ)に入社し、インハウスM&A担当として働くことにしました。しかし、退職の挨拶回りをしていると、多くのオーナーから『青井さんに頼りたい』『会社が変わっても担当してほしい』という声をいただいたんです。それならば、彼らの受け皿を作る責任があると考え、株式会社リアンを立ち上げました」

こうして、スタートアップの社員として「買い手」の論理を学びながら、自身の会社で「売り手」のオーナーに寄り添うという、業界でも稀有な「二刀流」のキャリアが始まった。 

株式会社リアンが提供する真の価値

株式会社リアン(Lian)はフランス語で「つながり」を意味する。その名の通り、単なる契約の成立ではなく、その後の人間関係や企業の未来を重視する姿勢は、提供サービスにも色濃く反映されている。

① 経営者の孤独を解消する伴走支援

青井氏はM&Aありきではなく、まずは経営者の「壁打ち相手」として関わることが多い。特に、まだ譲渡か成長かで迷っている段階や、さらなる飛躍を目指すフェーズでの支援が手厚い。

「例えば、上場や急成長を目指すスタートアップであれば、資金調達の壁打ち相手として資本政策の悩みを受け止めます。一方で、組織が拡大する中で足場を固めたい企業には、実務レベルまで踏み込みます。誰が何に責任を持つのかを明確にする組織図の作成から、経営目標を現場の行動に落とし込むKPIの再設計、さらには事業成長の要となる採用戦略の立案まで。これらを月額20万円〜提供し、時には『今のままでは、次世代への円滑な承継(譲渡)は難しい』と率直に伝えることもあります」

大手コンサルティングファームに依頼すれば数百万円かかるような戦略支援を、手の届く範囲で提供する。ここには「救える範囲の経営者を救いたい」という青井氏の想いがある。

② 利益より譲渡後の未来を

リアンのM&A支援には、画一的な料金表がない。着手金は取らず、成功報酬も案件ごとのオーダーメイドだ。そして何より、「適正な評価」へのこだわりが強い。

「業界平均だから『利益の6倍』で譲渡しましょう、というのは思考停止です。例えば、ある中小企業がもつリソースを、喉から手が出るほど欲している大手企業があれば、相場以上の価値がつきます。それを探し出すのが本来の仲介の仕事です」

一方で、オーナーが相場を無視した高値での譲渡を希望した場合には、あえて厳しい現実も伝える。

「『10億円で譲渡したい』と言われても、それが相場からかけ離れていれば、『その価格で承継した相手は、投資対効果を出すために、厳しいPMIを行うことになります』と伝えます。それでもやりたいですか?と。オーナーの利益だけでなく、残される従業員の幸せまで考えるのが私の流儀です」

③ 従業員離職ゼロへの執念

IT・ソフトウェア業界のM&Aにおいて、最も恐ろしいのはエンジニアの流出だ。青井氏が支援した医療系パッケージソフト企業の事例では、M&A後の従業員離職ゼロを実現している。

「契約が終わって『はい、さようなら』では、従業員は不安でしかありません。私はM&A実行前から、どのタイミングで、誰から、どのように従業員へ伝えるか、そのシナリオを緻密に設計します。時には泥臭い調整も行います。
例えば、ある企業では、既存事業の一部に承継先にとって不都合なビジネス内容が混ざっており、そのままでは譲渡が困難な状況でした。そこで、その事業の在り方やスキームを原点に立ち返ってオーナーと話し合い、たとえディール進行を止めてでも何が最適かを真摯に議論しました」

こうしたきめ細かな対応は、「数をさばく」ことを至上命題とする大手仲介会社では難しい領域だろう。

AI時代の到来と、クロスボーダーへの挑戦

IT業界の最前線に身を置く青井氏は、業界の未来に対しても冷静な視点を持っている。

「これまでのシステム開発会社は、エンジニアの人数×単価の『人月商売』で成り立っていました。しかし、AIの進化により、誰でもアプリが作れる時代がすぐそこまで来ています。今後3〜5年で、単にエンジニアを囲っているだけの会社の価値は劇的に下がるでしょう」

AIが「How(どう作るか)」を代替する時代において、経営者に求められるのは「What(何を作るか、なぜ作るか)」を定義する力だ。

だからこそ青井氏は、M&Aにおいても「課題の構造化」を重視する。経営者自身も気づいていない本質的な悩みを言語化し、「なぜその技術が必要なのか」「どの企業と組めばその価値が最大化されるのか」という論理を組み立てる。

これは、膨大なデータを学習したAIであっても、人の心の機微までは読めない領域だ。

さらに、視線は海外にも向いている。

「昨今、日本ブランドへの強い憧れや経営スタイルへの尊敬から、『自社を日系企業に承継したい(譲渡したい)』と願う海外企業からの相談を多く受けています。 私はこうした海外企業ともネットワークを有しており、単なるマッチングを超え、日本企業の価値を正しく伝えながら、文化的な摩擦が起きないよう細部まで調整を行っています」

機械的に条件を照らし合わせるだけの仲介者(FA)ではなく、間に立って摩擦を防ぎ、互いのリスペクトを醸成する調整役。AIが台頭し、国境が曖昧になる時代だからこそ、青井氏のような泥臭い人間力が、最強の生存戦略となる。

5年後も「救える人を救う」存在であるために

インタビューの最後、青井氏に5年後のビジョンを尋ねると、意外な答えが返ってきた。

「会社を大きくしたいとか、有名になりたいという欲求はあまりないんです。それよりも、私のビジョンに共感して頼ってくれる経営者を、私が救える範囲で救い続けたい。数を追って質を落とすようなことはしたくないですね」

かつて担当した元オーナーたちとは、今でも定期的に食事に行き、互いの近況を報告し合う仲だという。M&Aはゴールではなく、経営者の人生における一つの通過点に過ぎない。

その通過点を最高のものにし、その後の人生も共に歩んでいけるパートナー。それが青井雅宏という男だ。

「まだM&Aなんて先の話だ」と考えている経営者こそ、一度彼と話をしてみてほしい。 帝国データバンクの調査によれば、事業承継は準備から完了まで5〜10年かかると言われている。

独りで悩む夜があるならば、まずは「壁打ち」から始めてみてはいかがだろうか。青井氏はきっと、決算書の数字の向こう側にある、あなたの「想い」に耳を傾けてくれるはずだ。

ここまで記事を読んでいただき、ありがとうございました。

経営者のストーリーには、会社のホームページや営業資料だけでは伝わらない
「なぜこの事業を始めたのか」という想いがあります。

創業のきっかけ、苦労したこと、そしてこれから実現したい未来。

こうした話を聞くたびに、日本にはまだまだ面白い経営者がたくさんいると感じます。

そのストーリーを残すために、現在【経営者1000人インタビュープロジェクト】を進めています。

この企画では、

  • 創業のストーリー
  • 事業の強み
  • 経営者の価値観
  • これからのビジョン

などをお聞きし、記事として公開しています。

記事は、会社名や代表者名で検索されたときにも見つかる「信頼できる情報」として残るコンテンツになります。

インタビューはオンラインで60分ほど。現在はプロジェクトのため参加費は無料です。

もしこの記事を読んで

「自分の事業の想いも残してみたい」
「経営者としてのストーリーを言語化したい」

そう思った方がいれば、ぜひ以下のページをご覧ください。

あわせて読みたい
100回の名刺交換より、Google検索1ページ目のインタビュー記事1本で大口契約獲得の可能性を300%伸ばす方法 営業も交流会も、もう要らない。 この案内は、月30名限定です。 今月の枠が埋まった時点で、この案内は完全に消滅します。 なぜ30名なのか。それは、一人ひとりの仕事内...
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!