BtoBの「リード枯渇」を終わらせる。AREYO代表・田中悠が語る紹介プログラム自動化SaaS「Jolt」が描く未来

BtoB企業の永遠の課題である「リードの枯渇」。広告費の高騰やアウトバウンド営業の効率低下に悩む企業が多い中、最も受注率が高く、LTV(顧客生涯価値)も高いのが「既存顧客やパートナーからの紹介」です。
しかし、多くの企業において紹介は「たまたま起きるもの」であり、戦略的な仕組み化がされてきませんでした。
そこに一石を投じるのが、株式会社AREYOが提供するリファラルマーケティングプラットフォーム「Jolt(ジョルト)」です。
本記事では、愛媛県松山市出身で、キヤノンやプレイドなどのメガベンチャーを経て株式会社AREYOを創業した代表取締役CEO・田中悠氏に独占インタビューを実施。
創業の原体験から、自己資本100%を貫く経営哲学、そしてJoltが変えようとしている日本のビジネス文化まで、公式サイトには載っていないリアルなストーリーをお届けします。
この記事でわかること
- BtoB SaaSの最前線で田中氏が感じた「リード獲得の限界」と起業の経緯
- 海外ツールにはない、Jolt独自の「ハイブリッド管理」と「報酬自動化」の裏側
- Joltの導入が向いている企業・向いていない企業の明確な基準
- シード期にエクイティ調達をせず、自己資本100%で経営を続ける理由

会社概要
- 会社名:株式会社AREYO
- 公式サイト:https://areyo.co.jp/
- 代表者:代表取締役CEO 田中 悠
- 設立:2023年4月3日
- 事業内容:リファラルマーケティングプラットフォーム「Jolt(ジョルト)」の開発・提供
創業ストーリー:SaaS最前線で直面した「リード枯渇」という壁
愛媛県松山市のご出身と伺っていますが、地方から東京へ出て、スタートアップを起業するに至った経緯を教えてください。
高校までは愛媛県で過ごし、大学進学を機に上京しました。大学時代にアメリカや韓国への留学を経験し、グローバルに働きたいという思いから、新卒でキヤノンに入社して一眼レフカメラのグローバルマーケティングを担当しました。
ただ、大学時代から「自分でビジネスを創りたい」という思いがあり、自らのスキルとマインドを引き上げるためにスタートアップの世界へ飛び込むことを決意しました。
2社目は社員20名規模だったプレイドに入社し、IPO直前まで組織の成長を牽引。その後バニッシュ・スタンダードを経て、2025年4月に株式会社AREYOを創業しました。
リファラルマーケティングの領域で起業しようと思った原体験は何だったのでしょうか?
10年以上SaaSスタートアップで経験を積む中で、「常にトップラインの伸び悩みは『リードの枯渇』にある」という強烈な課題を感じていました。
広告やアウトバウンド営業をメインにリード獲得を行っていましたが、コスト効率が非常に悪化していくのを目の当たりにしました。一方で、既存顧客やビジネスパートナーからの「紹介」は、受注率もLTVも非常に高い傾向にありました。
この「紹介」をもっと科学して仕組み化すれば、多くの企業がぶつかるリード枯渇の壁を突破できるのではないか。そう確信したのが、Joltを生み出すきっかけです。

創業当初のプロダクト開発で、苦労されたエピソードはありますか?
初期は資金も限られていたため、社員をフルタイムで採用するのではなく、副業や業務委託のエンジニア・デザイナー数名に手伝ってもらいながら開発を進めました。
しかし、副業メンバーの集まりゆえにスケジュール通りに進まなかったり、こちらが実現したい内容が100%伝わらずアウトプットがズレてしまったりと、思い通りにいかない局面も多く、非常に苦労しました。
事業の特徴:「Jolt」は既存の紹介ツールと何が違うのか?
公式サイトでは、Joltは「紹介パートナー契約・紹介管理・報酬設計から報酬支払いまでを自動化するプラットフォーム」と定義されています。インタビューからは、海外の類似ツールとの決定的な違いが見えてきました。

競合(海外ツール)との決定的な違い
リファラル(アフィリエイト)マーケティングのツールは海外に多数存在しますが、そのまま日本市場に持ち込んでも機能しません。その理由は決済手段と商習慣の違いです。
海外ツールはStripeなどの決済サービスを個人が使っている前提で作られていますが、日本では銀行振込が主流です。Joltはインボイス登録から銀行振込の自動化まで、日本独自の煩雑な処理をすべてシステム側で巻き取っています。
強み:代理店と個人を「ハイブリッド」で一元管理
国内の市場規模を考慮すると、企業は「法人の代理店」と「個人の紹介者」をひとつのツールで一緒に管理したいというニーズを持っています。
Joltは、代理店を管理するパートナーセールス機能と、リンク共有で広がるアフィリエイト管理機能の「両方」をハイブリッドで提供している点が最大の強みです。
インタビューQ&A:どんな企業にJoltは向いているのか?
Q. 実際にJoltの導入が「最も効果を発揮する企業」の条件を教えてください。
A. まず、「SMB(中堅・中小企業)向け」で「単価が比較的安め」の広く使われるサービスと非常に相性が良いです。
自分が誰かに紹介する立場になった時、高額すぎるものや、ニッチで専門知識が必要なものは紹介しにくいですよね。広く使われるバックオフィス系のSaaSなどは、自分自身が体験して良さを実感しやすいので、「他の人にも勧めたい」というロジックが働きやすくなります。
また、SaaSに限らず、コミュニティの会員紹介、大型イベントの集客、ウォーターサーバーのような有形商材などでも高い効果を発揮します。
Q. 逆に、「Joltは向いていない」と判断するのはどんな企業ですか?
A. エンタープライズ(大手企業)向けのサービスや、単価が非常に高い商材です。
こういった商材は、最初から「特定の部署の特定の役職者」をバイネームで狙い撃ちにする攻め方になるため、広くパートナーを募って紹介を生み出すモデルとは相性が悪いです。紹介の母数が少なくなるため、システムを入れて効率化する意義が薄れてしまいます。
Q. JAFCO SEED 2025のファイナリストに選出されましたが、得られた気づきはありましたか?
A. 創業当初は何の信頼も実績もない中で、どうやって営業活動をしていくかが課題でした。
ファイナリストに選ばれたことで、商談の際に「どこの馬の骨かわからない」という状態から脱し、話を聞いてもらいやすくなったのが一番大きいです。
また、私が実現したい「リファラル文化の構築」というビジョンに対して、VCの方々含め多くの方に共感していただけたことが嬉しかったですね。
経営者の価値観:シード期に自己資本100%を貫く理由
田中さんが経営判断を下す際、「これだけは譲れない」という意思決定の軸は何ですか?
「顧客視点であり続けること」です。これに尽きます。 実はAREYOは現在、エクイティ(株式)による資金調達を行っておらず、自己資本100%で経営しています。立ち上げ初期フェーズで投資家の意向を過度に気にしてしまうと、経営判断がブレてしまうと考えているからです。
一時的なテクニックではなく、本質的に顧客が必要だと思うものを深く考えて作る。誰がやっても成果が出る仕組みに落とし込む。そのために、完全に顧客の方だけを向いて事業作りを行っています。
今後のビジョン:日本に「新しい紹介文化」を根付かせる
今後、AREYOとして目指している未来や新しい挑戦について教えてください。
直近の挑戦としては、BtoB領域だけでなく、BtoC領域へもJoltを展開していきます。BtoCのほうがリファラルマーケティングの爆発力があり、より必要とされていると感じているからです。
また、日本のビジネス文化そのものを変えていきたいという思いがあります。日本ではまだ、「紹介=金稼ぎ」というネガティブな捉え方をされることがあります。 私たちが根付かせたいのは、「相手にメリットがあり、相手の課題を解決できるから紹介する」という文化です。

人間なのでインセンティブはきっかけになりますが、本質的には相手のためになる紹介が自然と広がるような社会にしたい。そのために、現金だけでなくAmazonギフトカードやポイント付与など、紹介の心理的ハードルを下げる多様な報酬設計も実装しています。
5年後、10年後には、私が生まれ育った愛媛県などの地方創生にも、何らかの形で貢献していきたいと考えています。
読者へのメッセージ
最後に、リード獲得に悩むBtoB企業の担当者・経営者に向けてメッセージをお願いします。
「まずは紹介プログラムを作りましょう」と伝えたいです。 あなたの会社の周りには、想いや価値を理解し、応援してくれる人たちが必ずいます。紹介からのリード獲得はすでに起きているはずですが、それを戦略的に管理していないのは非常にもったいない。
仕組みさえ整えれば、紹介のつながりは大きく広がり、強力なリード獲得チャネルに育ちます。その第一歩として、ぜひJoltを活用してみてください。
まとめ
この記事のポイント
- AREYO田中氏はSaaS業界で10年以上「リード枯渇」に悩み、解決策として「Jolt」を開発。
- Joltは「法人の代理店」と「個人の紹介者」をハイブリッドで管理でき、日本特有の銀行振込やインボイス処理も自動化。
- 投資家ではなく「顧客視点」を貫くため、あえて自己資本100%で経営中。
- 「金稼ぎ」ではなく「相手のための紹介」という文化を日本に根付かせることを目指す。
Joltの導入がおすすめな企業
- SMB(中堅・中小企業)向けのサービスを提供している企業
- SaaS、コミュニティ運営、イベント集客など、広く一般に使われやすい商材を持つ企業
- 現在のリード獲得(広告やアウトバウンド)のCPAが高騰し、限界を感じている企業

ここまで記事を読んでいただき、ありがとうございました。
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