年金管理SaaS「L-FAB」石川泰が語る、退職金が見えない日本企業の深刻な課題と解決策

この記事でわかること

  • 株式会社LIFE FABが提供する退職金年金統合管理プラットフォーム「L-FAB」の開発背景
  • 「退職金が見えない」ことで生じる、企業と従業員のリアルな課題
  • 代表取締役・石川泰氏の経営哲学と、日本のファイナンシャルウェルビーイングを変える年金インフラ構想

なぜこの企業に注目すべきか

現在、日本企業の多くが退職金制度を導入しているにもかかわらず、その管理はExcel等を用いた手作業に依存し、従業員は「自分がいくらもらえるのか」を把握できていません。

株式会社LIFE FABは、複雑な退職金・年金制度をSaaSで一元管理できる日本で唯一のシステム「L-FAB」を提供しています。

退職金年金業務のプロフェッショナルであり、年金業務の最前線に立ち続けてきた石川泰氏が、HRテック・福利厚生領域にどのような変革をもたらすのか。経営者や人事担当者必読の一次情報をお届けします。

会社概要

  • 会社名:株式会社LIFE FAB
  • 公式サイト:https://lifefab.co.jp/
  • 代表者:代表取締役 石川 泰
  • 設立:2021年1月
  • 所在地:東京都品川区
  • 事業内容:退職⾦年⾦制度の管理・運⽤に特化した退職金年金統合管理プラットフォーム「L-FAB」の提供、ファイナンシャルウェルビーイング実現に向けた資産管理・確定拠出年⾦⽀援・金融教育支援など

創業ストーリー

なぜこの事業を始めたのか

石川氏は前職である年金業務の指定法人や野村證券、SBIベネフィット・システムズにて年金業務に携わる中で、日本の退職金制度の在り方に強い違和感を抱きました。退職金は本来「後払い賃金」であり、従業員の安心やエンゲージメントを向上させるためのものです。

しかし現状は、従業員が「自分がいくらもらえるのか分からない」状態になっています。 「そもそもいくらもらえるか分からないのに、会社がわざわざ準備する必要があるのか?」。

このシンプルな問いかけと、退職金の「見える化」ができていないという業界の根深い課題を解決するため、石川氏はSBI在籍時にホールディングスへ事業案を提出しました。

しかし、社内では事業化しないという結論に至ったため、「じゃあ自分でやります」と2021年1月に独立・起業を決意しました。

創業時の苦労

創業当初は、中小企業向けの資産形成領域などに注力しており、エンタープライズ向けの退職金年金管理システムには取り組んでいませんでした。

これは、前職でのクライアントが300〜1,000名規模の中堅企業が多く、それ以上の大規模企業のニーズを把握しきれておらず、「単価が取れない」と判断していたためです。

しかし後に、DXや業務改善の文脈でエンタープライズ企業の課題が深刻化していることに気づき、資産形成領域に加え、現在の方向へ舵を切ることになります。

また、専門性の高い「数理や退職金年金関連業務」が分かる人材の採用にも苦労しています。

事業の特徴

競合との違い

退職金・年金の統合管理システムにおいて、L-FABは事実上の「競合ゼロ」のSaaSプロダクトです。

大手ITベンダーのスクラッチ開発(ゼロからの特注開発)と比較検討されることがありますが、L-FABはSaaSであるため圧倒的に安価でありながら、必要な機能が高度に揃っている点が評価されています。

強み

確定拠出年金、確定給付企業年金、退職一時金など、複数の制度が絡み合う複雑な退職金制度にも柔軟にカスタマイズ対応できるシステム設計が最大の強みです。

さらに、システムを提供するだけでなく、専任コンサルタントが課題に応じて継続的にサポートし、制度運用全体の改善まで伴走します。

提供価値

Excelなどの旧来の管理手法から脱却し、人事・経理部門の業務を圧倒的に効率化します。

また、退職金年金制度の管理に加え、資産形成領域では、従業員向けにはスマートフォン等で将来の必要資産や退職金を試算できるシステムやお金の健康診断と行ったサービスを提供することで、確定拠出年金(DC)の加入率向上や、ファイナンシャルウェルビーイングの実現に貢献します。

インタビューQ&A

Q. 東京理科大学卒業後、最初のキャリアとして年金数理の業界を選んだ理由を教えてください。

石川氏: 業界への課題感から入ったわけではなく、純粋に「得意だった数理の素養を活かしたい」という理由でした。

実際に働いてみると、優秀かつ、論理的な方が多く、退職金年金領域でキャリアを築いていきたいと考えるようになりました。

Q. 「老後2,000万円問題」が社会的に注目されましたが、年金業務のプロフェッショナルとしてどう見ていましたか?

石川氏: 本質はそこ(一律で2,000万円必要かどうか)ではないと思っています。

一人ひとりライフスタイルや必要な資産は違うわけですから、まずはシステムで個人の状況を「見える化」して解決しましょう、というのがポイントだと考えています。

Q. L-FABに向いている企業、逆に向いていない企業の特徴を教えてください。

石川氏: 当社の主力システムである、退職金年金管理システムに関しては、小さい会社には向いていないと思います。

退職者が年に数名しか発生しない規模であれば、システムで退職者を管理する必要性がそこまで高くないからです。目安として、従業員数500名以上のエンタープライズ企業であれば、私たちのサービスが活きてきます。

退職管理のボリュームが多ければ多いほど、L-FABの価値は高まります。一方で、小さい企業でも資産形成領域のシステムであればフィットしますので、従業員にお金の不安なく、働いて欲しい企業については、お声がけいただけると嬉しいです。

Q. 「退職金の見える化」を謳う他社ツールもありますが、L-FABの違いはどこにありますか?

石川氏: そもそも、統合型の給与計算システムで退職金を管理できている会社は、ありますが、年金制度も包括して管理できる会社は、私の認識では日本にはないはずです。

また、他社が「見える化」と言っているのは、Excelなどで集計したデータをただ見せているだけだったりします。システム上で複雑な制度をリアルタイムに管理・可視化できているSaaSは、現状我々しかいないと認識しています。

Q. 現在の日本企業で「退職金制度はあるが従業員に伝わっていない」ことの最大の問題は何でしょうか?

石川氏: 経営者視点で言うと、お金を払っているのに伝えるつもりがないなら、退職金なんてやめてしまって、今の給与に上乗せする「ペイナウ」でもいいのではないかと思います。

ただ、日本の税制を考えると、退職金として留保して支給することは非常に合理的な意思決定です。人事としても、他社が制度を入れている以上、採用戦略として整えるのは合理的です。

問題は従業員側です。就業規則を読んでもいくらもらえるのか分からないし、調べても分からない。知るためには総務や経理にわざわざ聞かないといけないし、聞かれた経理担当者もExcelを叩いて計算しないと答えられない。

だからこそ、すべてがシステム上で「見える化」されたインフラを作ることが重要なんです。

Q. 理想の協業パートナーや提携先として描いているのはどんな企業ですか?

石川氏: 給与計算システムの提供会社さんですね。

給与計算システムでは複雑な退職金年金制度の管理ができないため、「一緒に退職金年金制度の管理ができませんか」という提携のご依頼を受けることが非常に多いです。今後もそうしたベンダー様との関係性を増やしていきたいと思っています。

経営者の価値観

大切にしている考え

石川氏が最も重んじているのは、「長期のビジョンを優先する」という姿勢です。

「個人でお金を稼ぐだけならいつでも稼げます。しかし、日本中の大多数の企業が年金記録をシステムで管理できていない。そこを『見える化』できる土台を作っていくのが創業の思いです。だから、他に儲かる事業があっても興味はありません。それをやり続けるだけです」と語気を強めます。

経営哲学

組織運営においては「適正人員で経営していく」ことを徹底しています。現在も少数の正社員と業務委託メンバーという少数精鋭の体制で、不要な拡大はせず筋肉質な経営を実践しています。

また、事業に対しては「プライベートは捨てる」と断言するほど、退職金年金インフラの構築に人生をコミットしています。

今後のビジョン

目指している未来

日本にある年金管理のターゲット市場(約15,000社)のうち、プライム企業を中心とした大企業3,000社(シェア20%)への導入を一つのベンチマークとして掲げています。

5年後、10年後にはL-FABの基盤が日本の「年金インフラ」として当たり前になり、将来のお金の不安や不透明さが解決された社会を実現することを目指しています。

新しい挑戦

今後の展開として、既存の管理システムに留まらず、従業員の「資産形成領域」への事業拡大や、保険業法を取得して自ら保険会社を作るという壮大な構想も視野に入れています。

また、時価総額のターゲットを明確に定め、上場も見据えた事業計画を推進しています。

読者へのメッセージ

今の日本の公的年金や制度自体は、決して悪いものではありません。最大の問題は、自分が将来いくらもらえるのかという「理解が及んでいないこと」「透明性がないこと」です。

株式会社LIFE FABは、「L-FAB」を通じて企業の退職金・年金の見える化を実現し、一人ひとりが将来のお金に対する不安を解消できるインフラを構築していきます。

複雑な退職金制度の運用に限界を感じている人事・経理担当者様、従業員のエンゲージメントを本質的に高めたい経営者様は、ぜひ一度ご相談ください。

まとめ

この記事のポイント

  • 株式会社LIFE FABは、複雑な制度に対応する日本で唯一の「退職金年金統合管理SaaS」を展開。
  • 退職金は「後払い賃金」であるにもかかわらず、Excel管理等により従業員に見えていないことが、企業と従業員双方にとって大きな損失となっている。
  • 代表の石川氏は、退職金年金業務のプロフェッショナルとしての知見を活かし、目先の利益ではなく「日本の年金インフラ構築」という長期ビジョンに人生を懸けている。

どんな企業におすすめか

  • 従業員数500名以上のエンタープライズ企業
  • 退職金制度や確定給付企業年金など、複雑な制度のExcel管理から脱却したい企業
  • 確定拠出年金(DC)の加入率を上げ、従業員のファイナンシャルウェルビーイングを実現したい企業

ここまで記事を読んでいただき、ありがとうございました。

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