官僚から人脈ゼロでの起業へ。社労士特化DX「ヨハクル」で業界を変える株式会社Lean Stack 吹上由樹の挑戦

「AIツールを導入したものの、結局現場で使われていない」「流行りのDX研修を受けたが、実務の生産性は変わらない」そんな課題を抱える経営者は少なくありません。
本記事では、経済産業省の官僚というキャリアを捨て、ゼロからAI・DX支援事業を立ち上げた株式会社Lean Stack 代表取締役の吹上由樹氏に独占インタビューを敢行しました。
この記事でわかること
- 元経産省官僚が感じた「政策と現場の乖離」と、起業に至ったリアルな背景
- 形だけの「流行りのDX」と、実務の工数を1/5に劇的削減する「本物のDX」の違い
- 社労士特化型AIサービス「ヨハクル」が圧倒的な支持を得ている理由
- AI時代において、人間・経営者にしかできない真の役割
なぜ、株式会社Lean Stackに注目すべきなのか。それは彼らが、表面的なAIツールの導入ではなく、顧客の現場に泥臭く入り込み、「業務の棚卸し」から徹底的に伴走する稀有な企業だからです。
本質的な業務効率化を目指す経営者・ビジネスパーソン必見の一次情報をお届けします。
会社概要
- 会社名:株式会社Lean Stack
- 代表者:代表取締役 吹上 由樹
- 設立:2023年9月4日
- 事業内容:AI導入・活用コンサルティング、社労士事務所向けDX支援サービス「ヨハクル」、システム開発、HP制作、SNS運用代行
- 所在地:大阪府大阪市中央区徳井町2丁目2-13 ビジネスゾーン内本町 3F
- 認証規格:ISO/IEC 27001:2022(情報セキュリティマネジメントシステム)
創業ストーリー
「現場を知らない人間が政策を作る」構造へのジレンマ
吹上氏は2021年に経済産業省に入省し、製造業のヒアリングや事業再構築補助金などの運営、さらには航空機や宇宙産業、防衛関連の許認可というスケールの大きな業務に携わっていました。
しかし、優秀な官僚たちに囲まれながらも、次第に一つの疑問を抱くようになります。
「官僚は頭の賢い人が多いですが、実際に現場で営業や受注プロセスなどのビジネスを経験したことがない人が政策を作っています。そのため、どうしても政策と現場の実態に乖離が生じてしまう限界を感じました」

周囲の反対を押し切り、人脈ゼロの大阪で起業
「このままでは日本の未来を良くできない」と感じた吹上氏は、起業を決意し、家族の猛反対を受けながらも経産省を退職します。
大阪に拠点を移したものの、待っていたのは人脈ゼロからのスタートでした。「最初は交流会に無差別に参加し、ひたすら経営者の話を聞いてサービスを模索しました」と吹上氏は振り返ります。
創業当初は、自社プロダクトが固まっていない状態で営業を他社に外注し、全く売れないという大きな失敗も経験しました。しかし、自らの足で泥臭く動き続けることで、事業の軸を見出していきました。
事業の特徴
「流行りのDX」と決別する、徹底的な泥臭さ
Lean Stackの最大の強みは、「機能紹介で終わるAI研修」を否定し、実務に直結するDXを提供している点です。
吹上氏は「AIの機能を教えるだけの空中戦ではなく、業務の棚卸しをして実務にどう活かすかという地上戦・泥臭さこそが本物のDXです」と断言します。

社労士特化型DXサービス「ヨハクル」の圧倒的価値
広く浅いシステム開発ではなく、特定の業務に深く入り込む「縦軸の勝負」を展開しています。その代表例が、社労士事務所向けのDX支援サービス「ヨハクル」です。
社労士の独占業務である給与計算や助成金申請、就業規則の作成などに特化しAIを活用することで、あるクライアントでは給与計算の工数を1/5にまで削減するという驚異的な成果を上げています。
競合他社との違いは明確です。特定の狭い枠で圧倒的なパフォーマンスを発揮できるため、価格競争に巻き込まれることがなく、スピーディーなレスポンスでクライアントからの強い信頼を獲得しています。
インタビューQ&A
Q. 「経営に効くDX」と「流行りのDX」の違いは何でしょうか?
吹上氏: 流行りのDXは、AIの機能を教えるだけの研修など、実務にどう活かすかまで踏み込めていないものが大半です。
我々の考える「経営に効くDX」とは、業務の棚卸しを行い、横に広げるのではなく「一つの業務をいかに効率化できるか」という縦軸で勝負することです。
AIで何ができるかという表面的なことではなく、泥臭く現場のフローを見直すことこそが本物のDXだと考えています。
Q. 社労士向けサービス「ヨハクル」は、どのようにして生まれたのですか?
吹上氏: 交流会で社労士の先生とお会いし、「AIを使ってみたいから教えてほしい」と言われたのがきっかけです。
実際に支援に入ってみると、社労士の独占業務はAIと非常に相性が良く、給与計算などの業務で驚くほどの工数削減が実現できました。他社との差別化を図るためにも、この分野に特化して深く入り込むことを決めました。

Q. 大阪と東京の二拠点で活動されていますが、今後の展開は?
吹上氏: 今後は東京での活動ウェイトを9割ほどに増やしていく予定です。
東京のほうが社労士事務所の規模も大きく、助成金の流通額も違うため、より大きなインパクトを出せると考えています。
Q. 現在、経営において最も大きな課題は何ですか?
吹上氏: 「サポート体制(CS)の構築」と「コミュニケーション能力のある人材の採用」です。
ヨハクルというサービスは、システムを提供するだけでなく、お客様と対話しながらサポートする部分が命です。プロダクトを磨き続け、自信を持ってサポートできる組織文化を作っていきたいと考えています。
Q. 中小企業のDXが思うように進まない最大の壁は何だと思いますか?
吹上氏: ベンダー側(AI事業者)とクライアント側の「解像度のギャップ」です。
ベンダーはAIを知っていても現場の専門業務を知らない。逆にクライアントは現場を知っていてもAIを知らない。この両者が本気で時間を費やし、協力してプロジェクトを進めないとDXは絶対に成功しません。
経営者の価値観
「無駄なく、積み上げる」凡事徹底の哲学
社名である「Lean Stack」には、「無駄なく(Lean)積み上げる(Stack)」という意味が込められています。 これは吹上氏の幼少期の原体験に由来しています。
「子どもの頃、最初は縄跳びが1回しか飛べなかったのですが、努力を積み重ねて大会で優勝した経験があります。初心を忘れず、無駄なく積み上げていけば必ず目標に到達できる。ロゴマークも、積み上げたLの上に成功(S)があるデザインにしています」と語ります。
「なんとかなる」のではなく、「正しく行動し、足を使って泥臭く動けばなんとかなる」という実体験に基づいた強い信念が、事業の根底に流れています。
今後のビジョン
10億円規模の組織と「社労士DX=ヨハクル」の確立
5年後・10年後のビジョンとして、吹上氏は「売上10億円規模、50〜60名の最強の業務効率化集団を作ること」を掲げています。
まずは社労士業務というニッチな領域で「給与計算や社労士DXといえばLean Stack(ヨハクル)だよね」と言われる絶対的なポジションの確立を目指しています。
将来的には、社労士事務所だけでなく、一般企業の給与計算部門などへの導入も視野に入れています。

読者へのメッセージ
AI時代だからこそ、経営者は「遊ぶ」スキルを持て
テクノロジーが進化する中で、人間にしかできないことについて吹上氏は独自の視点を持っています。 「AI時代において、経営者の役割は極論『遊ぶこと』になるかもしれません。
仕事や泥臭い業務はAIがやってくれるようになります。だからこそ、一緒に美味しいものを食べに行ったり、ポーカーやゴルフを楽しんだりといった、人間同士のプライベートな付き合いやコミュニケーションが、経営者の重要なスキルとして残っていくはずです」
若き世代へのエール:リスクを恐れず突っ走れ
「これからの経済を支えるのは我々若者世代です。しかし、評価の天井を自分で決めてブレーキをかけてしまったり、リスクを背負うことを避けている人が多いように感じます。
自分でやりたいことがあるなら、リスクを取って突っ走ればいい。凡事徹底でちゃんと積み上げていけば、必ず結果は出ます。もっと自由でいいんじゃないか、と伝えたいですね」
まとめ
- 現場を知らない政策への違和感から起業: 官僚時代のマクロな視点と、自ら足を動かす泥臭いミクロな視点を併せ持つ経営層が率いている。
- 徹底した業務の棚卸し: 流行りの機能紹介ではなく、実務の深い理解に基づいた「本当に経営に効くDX」を提供。
- 圧倒的な成果を生む特化型SaaS: 社労士事務所向け「ヨハクル」により、給与計算などの工数を大幅に削減。
【こんな企業におすすめ】
「ITツールを導入したものの定着しない」「表面的なAI研修ではなく、自社の特定の業務プロセスを根本から効率化したい」と考える中小企業や士業(特に社労士事務所)の皆様に、株式会社Lean Stackの伴走型支援は強力な武器となるはずです。
「DXは心身・経営に余裕がある時にしかできない」という吹上氏の言葉通り、手遅れになる前に本質的な業務改革の一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

ここまで記事を読んでいただき、ありがとうございました。
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