PalEdge・中西俊輔が語る「つながりで仕事をつくる」ビジネスの哲学とリファーラルの力

「紹介されたから買う」のではなく、「信頼しているから紹介する」。この順序を間違えると、ビジネスネットワークはただの名刺交換会に成り下がる。
PalEdge(パルエッジ)代表の中西俊輔氏は、複合機や防犯カメラなどのOA機器販売・保守を中心に企業の事業拡大サポートを手がけ、世界最大級のビジネスリファーラル組織「BNI」のメンバーとしても活動する起業家だ。
本記事では、中西氏へのインタビューを通じ、「人とのつながりを資産に変える」経営哲学と、リファーラル(紹介)という仕組みが中小企業にもたらす本質的な価値について迫った。
OA機器業界の「常識」への違和感から独立へ

中西氏がビジネスの世界に踏み出し、2022年4月にPalEdgeを設立した背景には、新卒で入社したOA機器業界特有の営業スタイルへの違和感があった。
「OA機器の業界って、目の前のお客さんから一発大きく利益を取ったりとか、どんな現場でもとにかく契約を巻いてこいという感じになりがちなんです。僕としてはどちらかというと、目の前ですぐ契約というよりかは、数年かかってでもお客様と長いお付き合いができる営業スタイルが良かった。それが今の環境に合わないのであれば、自分でやってみようと思ったのが起業のきっかけです」
「このままでは変わらない」という直感が、PalEdge設立へとつながっていった。
社名に込めた「縁」と、ピンチを救った「人のつながり」

独立に向けて動く中でテレアポや飛び込み営業も経験したが、次第に「ご紹介」だけで仕事が回るようになっていったという。事実、創業時の最初の1件目の契約も紹介によるものだった。
「その時の感謝を忘れずにという思いで、社名は『Pal(人と人との縁・仲間)』と『Edge(橋渡し・つなぐ)』を組み合わせ、『縁をつなげる会社』という意味を込めた造語にしました」
起業から7ヶ月目には、自社の名前を勝手に使われて見知らぬところで資金を集められ、全く身に覚えのないことで訴えられるという大きなトラブルに見舞われた。しかし、その窮地を救ったのもまた「人とのつながり」だった。
「変な負債を背負いかけましたが、周りのお客様や取引先の方が弁護士を紹介してくださったり、いろんな知恵を貸してくださったりと、人のつながりに本当に助けられて立て直すことができました」
「導入して終わり」ではない。PalEdgeが選ばれる理由

PalEdgeは現在、介護施設や不動産会社の新規開業・支店立ち上げのタイミングでの機器導入を多く支援している。
業界歴の長さを活かした価格競争力も強みの一つで、京都の企業で防犯カメラ8台・月額7万円かかっていた費用を、乗り換え提案により半額の3万5000円に削減した実績もあるという。
しかし、中西氏が真に提供したい価値はそこにとどまらない。
「ただOA機器を導入するのではなく、業務効率が上がり、事務作業以外の時間に投資できるようになったというお声を多くいただきます。導入して終わりではなく、会社拡大に向けて伴走していくのがPalEdgeです」
BNIでの活動と「Givers Gain®(与える者が得る)」の実感

中西氏は現在、新卒時代から8年付き合いのある顧客からの誘いをきっかけに、2024年4月からBNIのナーウィスチャプターに参加している。
BNIの基本理念である「Givers Gain®(与える者が得る)」を、中西氏は実体験として深く実感している。
「1年以上前にお互いのビジネスについて深く話し合った方に対して、自分から紹介を出そうとずっと動いていました。すると最近になって、その方々から複合機や防犯カメラのご相談をいただくことがだいぶ増えてきたんです。一度つながった方に、自分の利益を考えずにおつなぎしていたら本当に返ってくることもあるんやなと実感しています」
「決断はお客様に委ねる」中西氏の営業スタンスと今後の展望

中西氏が顧客と向き合う上で最も大切にしているのは、「最終的にお客様に決断していただく」というコミュニケーションの姿勢だ。
「僕ができることはとことん課題やこの先のビジョンをお聞きして、お付き合いしていただけるのであればどんな風に課題解決ができてビジョンを描けるかを熱く語らせてもらう。そこからはほぼ『待ち』です。選んでいただけるのであれば全力でお応えするというスタイルです」
今後の事業展開について尋ねると、OA機器販売という枠を超えた構想を語ってくれた。
「メンテナンスなどで訪問した際、従業員の方とお話しする機会が多くあります。その話を聞いて終わりではもったいない。従業員さんと経営者の架け橋となり、経営者のビジョンの実現をサポートするために、個性心理学などを使ったコーチングやカウンセリングの事業を進めています」
信頼を資産に変え、共に事業拡大を描くパートナーへ
「売る」より「与える」が先にくる理由。それは、自らの利益を後回しにしてでも「信頼の総量」を増やすことが、結果として良質な紹介を生み、事業の成長につながるという中西氏の実体験に裏打ちされている。
単なる「OA機器の販売業者」ではなく、信頼で結ばれた顧客の「事業拡大のパートナー」として伴走するPalEdge。中西氏の「縁をつなぐ」挑戦は、これからも多くの経営者にとって心強い支えとなっていくことだろう。

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