福祉×不動産×コンサルで急成長。すみしあケア株式会社・松田大助代表が描く、社会課題解決と組織づくりの最適解

この記事でわかること
- 人材コンサルタントから40歳で福祉業界へゼロから参入した理由と苦難の乗り越え方
- 「障がい福祉×不動産×コンサルティング」の3事業を連携させる独自の経営シナジー
- 創業5年で施設数9棟・スタッフ65名規模へ急成長を遂げた組織づくりの秘訣
- 経営者として大切にすべき「3つの判断基準」と「リーダー輩出」の哲学
なぜこの企業に注目すべきか
近年、社会課題の解決策として注目を集める障がい者向けグループホーム事業。しかし、実務面や経営面でのハードルは低くありません。
埼玉県伊奈町・蓮田市を中心に「グループホームおにぎり」を展開するすみしあケア株式会社は、創業からわずか5年で9棟のグループホームを開設し、就労支援事業も展開するなど急速な成長を遂げています。
代表の松田大助氏は、長年の人材コンサルティングの経験を活かし、福祉領域に不動産とコンサルティングの知見を掛け合わせる独自の経営スタイルを確立しています。
本記事では、一般的な会社紹介では語られない松田代表のリアルな創業ストーリーから経営哲学、今後のビジョンまでを深掘りします。事業の多角化や組織づくりに悩む経営者・ビジネスパーソン必見のインタビューです。

会社概要
会社名:すみしあケア株式会社(グループホームおにぎり運営)
公式サイト:
- グループホームおにぎり https://gh-onigiri.com/
- 就労支援BANDS https://sr-bands.com/
- note:https://note.com/daisuke_matsuda
- クラファン:https://camp-fire.jp/projects/951405/
代表者:松田 大助
設立:2020年11月
事業内容:埼玉県伊奈町・蓮田市を中心とした障がい者グループホーム(共同生活援助)の運営、就労支援事業、地域貢献事業
創業ストーリー
「自分軸」から「他者貢献」へ。40歳で決断した福祉への挑戦
大学卒業後、人材サービス企業で営業や人事コンサルタントとして15年間キャリアを積んだ松田代表。その後、経営コンサルティング会社の立ち上げや独立を経て、経営者のパートナーとして活躍していました。
転機となったのは40歳を過ぎたタイミングです。それまでの自身のキャリアや不動産投資の経験を振り返り、「自分がどうやったら儲かるか、成長するかという『自分軸』が強かった。
これからは他者への貢献を意識しないと、自分自身のさらなる成長はない」と痛感。同時に「自分の事業を持ち、組織を作って展開していきたい」という経営者への強い憧れがありました。
そこで目を向けたのが、社会的に不足していた「障がいを持つ方の住む場所(グループホーム)」の提供でした。
入居者ゼロ、スタッフの離職。開業当初の大きな挫折
2020年11月に法人を設立し、半年後の2021年4月に開業するというスピード感でスタートを切りました。事前のマーケティングにより、埼玉県内で競合が少なくニーズのあるエリア(伊奈町・蓮田市周辺)を選定し、物件を確保。
しかし、オープン後、厳しい現実に直面します。 「認知されていない事業だったため、営業に行っても反応が得られず、最初の利用者が決まるまで5ヶ月間かかりました。利用者さんがいないため、先行して採用したスタッフが稼働できず、全員退職してしまったのです」。
この挫折から松田代表は、優秀な人材を採用し定着させるためには、具体的な事業ビジョンと計画が必要不可欠であると痛感。半年かけて事業計画を練り直し、組織の土台を再構築しました。

事業の特徴
競合との違い・強み:福祉・不動産・コンサルの「三位一体」経営
すみしあケアの最大の特徴は、松田代表が複数の会社を並行して経営し、リソースを融合させている点です。
- 福祉(すみしあケア):施設の運営、サービスの提供
- 不動産(すみしあ合同会社):地域での土地建物の開発、リノベーション
- コンサル(すみしあコンサルティング):経営ノウハウの注入、外部パートナーとの連携 福祉業界特有の閉鎖的な情報だけでなく、異業種の経営ノウハウや最新のITツール(AIなど)を融合させることで、効率的かつ持続可能な事業基盤を築いています。
男性・女性専用の完全分離と「断らない」受け入れ体制
「グループホームおにぎり」は、男性専用・女性専用で棟を完全に分けて運営しています。これは人間関係のトラブルを未然に防ぎ、入居者とそのご家族が違和感や不安なく安心して預けられる環境を作るための経営判断です。
また、他施設で受け入れが難しかった方でも、自分たちの都合で「断らない」ことを基本スタンスとしています。この姿勢が地域からの厚い信頼を生み、「おにぎりさんに相談すれば真摯に向き合ってくれる」という評価に繋がっています。
インタビューQ&A
Q. 人材コンサルティングや独立を経て、なぜ未経験の障がい福祉事業を立ち上げようと思ったのでしょうか。
松田大助氏(以下、松田): 理由は大きく2つあります。1つ目は、コンサルタントとして他社の経営支援をする中で、「自分の事業を持ち、組織を拡大していきたい」という経営者への強い憧れがあったことです。
2つ目は、「他者への貢献」です。それまでの私は、どう成長するか、どう稼ぐかという「自分軸」で生きていました。しかし、これ以上の成長のためには利他の精神、人への貢献が必要だと強く感じたのです。その時、社会的に不足していた障がい者の暮らす場所を作る事業に出会い、自身の力で挑戦しようと決断しました。
Q. 創業から5年で施設数9棟、スタッフ65名と急成長されました。最大の要因は何だとお考えですか?
松田: 明確な事業ビジョンと事業計画を立て、そこに向けてブレずに取り組んだことが最大の要因です。
開業当初は入居者が集まらず、採用したスタッフが辞めてしまうという苦しい時期がありました。その失敗から、何もない会社に人が集まるわけがないと気づき、「将来こういう良い会社にする」というビジョンを徹底的に作り込みました。それに共感してくれる「人」に仕事を任せ、仲間づくりに注力できたことが、今の組織の成長を支えています。

Q. 未経験のスタッフも多い中で、どのように教育や定着を図っていますか?
松田: 最も重視しているのは、幹部やリーダー層との「ベクトル合わせ」です。
経験の有無よりも、理念への共感や人への熱い思いを持っているかを採用の軸にしています。教育面では、スキル以前に価値観を合わせるための対話や研修を定期的に行っています。
また、ITツールを導入して支援の記録を効率化したり、動画研修を取り入れたりすることで、現場の負担を減らし、働きやすい環境づくりを進めています。
Q. 今後、事業としてどのような規模やエリア展開を目指していますか?
松田: 現在は、住む場所(グループホーム)だけでなく、働く場所(就労支援)や、人生の計画を立てる相談支援など、多機能な「総合福祉事業」へと展開を進めています。
さらに今後は、地域の困りごとを解決するサービスに広げていきます。例えば、地域の不用品を回収してインターネットで販売する事業や、空き家を活用してグループホームと地域のコミュニティスペースを併設する取り組みがすでに動き出しています。
将来的には、福祉と防災を掛け合わせた「防災パーク」のような拠点を作りたいですね。まずは埼玉の指定エリアでこのモデルを確立し、全国の事業者と繋がって良いモデルを波及させていきたいと考えています。

経営者の価値観
大切にしている「3つの判断基準」と「言行一致」
松田代表が新たな事業や仕組みを意思決定する際、必ず自問する3つの基準があります。
- 社会的意義があるか(何のため、なぜやるのか)
- 持続可能か(属人的ではなく、組織として仕組み化できるか)
- 関わる人が成長するか
この基準に照らし合わせることで、単なる思いつきの単発事業に終わらせず、社会を豊かにする仕組みへと昇華させています。 また、経営者としての理想像を「言行一致できる人物」と語ります。「『誰もが主人公になれる社会づくり』という理念に見合う自分であるために、自分の発言に責任を持ち、行動を合わせていくことを常に意識しています」。
今後のビジョン
「夢チャレンジプロジェクト」で圧倒的な質を追求する
規模の拡大だけでなく、サービスの「質」においても地域ナンバーワンを目指しています。「グループホームにただ住むだけでなく、その人の本当にやりたい人生を描けるような支援をしたい」という思いから、『夢チャレンジプロジェクト』を実施しています。
実際に「別の施設で暮らすお母さんとお風呂に入りたい」といった利用者様の夢を叶える一泊二日の旅行を企画するなど、一人ひとりのQOL(生活の質)向上に直結する支援に力を入れています。
社会課題を解決できる「リーダー」の輩出
組織の将来像として松田代表が掲げるのは「福祉・地域のリーダーの輩出」です。「役職としてのリーダーではなく、社会の課題に気づき、それを自分の力で解決しようと動き、周りを巻き込んで仕組み化できる人材です。
そうした人材を社内から次々と生み出していくことが、私たちの目指す究極の組織の姿です」と力強く語ります。
読者へのメッセージ
ビジネスにおいて、利益を追求することはもちろん重要ですが、それ以上に「誰のために、何のために事業を行うのか」という明確なビジョンが、結果的に強い組織と持続的な成長を生み出します。
松田代表の「自分軸から他者貢献へのシフト」や、「失敗から学びビジョンを再構築した経験」は、業界を問わず、新たな挑戦を志す多くのビジネスパーソンにとって大きなヒントとなるはずです。
まとめ
この記事のポイント
- 松田代表は人材業界での経験を経て、40歳で「他者貢献」を掲げ福祉業界へ参入。
- 開業当初の失敗を糧に、明確なビジョンと事業計画を策定し、5年で9棟・65名規模へ急成長。
- 福祉・不動産・コンサルの3事業を掛け合わせ、持続可能で質の高い経営を実現。
- 「断らない支援」と「夢チャレンジプロジェクト」で地域社会と利用者のQOL向上に貢献。
- 最終目標は、社会課題を自ら解決し仕組み化できる「リーダー」を輩出すること。
こんな企業・経営者におすすめ
- 異業種から福祉・ヘルスケア領域への新規参入を検討している方
- 急拡大する組織における採用・定着・理念浸透の壁にぶつかっている経営者
- 地域創生や社会課題解決をビジネス(収益事業)として成立させたい起業家

ここまで記事を読んでいただき、ありがとうございました。
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