WordPress以外で選ぶCMS|目的別おすすめと失敗しない選び方を徹底解説

国内のCMS市場において、WordPressは83%という圧倒的なシェアを誇っています。しかし最近では、「セキュリティの不安」「運用の手間」「専門知識の必要性」といった課題から、WordPress以外のCMSを検討する企業や個人が増えているのです。
実際、2024年から2025年にかけて、WixやShopifyなどのSaaS型CMSのシェアが着実に上昇しています。Wixの市場シェアは前年比32.6%増加し、初心者でも扱いやすいツールへのニーズの高まりを示しています。
この記事では、WordPress以外のCMSについて、それぞれの特徴や選び方、目的別のおすすめツールまで、実際のデータをもとに詳しく解説していきます。「自社に本当に最適なCMSはどれか」という問いに、明確な答えを提供できる内容となっています。
なぜ今、WordPress以外のCMSが選ばれているのか
WordPressのシェアに変化の兆し
長年CMSの王者として君臨してきたWordPressですが、興味深い変化が起きています。W3Techsが2025年に発表したデータによると、WordPress全Webサイトの43.3%で使用されており依然として首位を維持しているものの、CMS市場におけるシェアは2022年のピーク時(65.2%)から60.7%まで低下しました。
これは過去20年間で初めて確認された本格的なシェア低下であり、CMS市場に大きな転換期が訪れていることを示しています。

一方で、日本市場では状況がやや異なります。2025年1月時点でWordPressは国内CMSシェアの83%を占めており、世界平均よりもさらに高い普及率を示しています。しかしこの高いシェア率の裏側で、運用担当者たちが抱える課題も見えてきているのです。
企業が直面するWordPressの課題
WordPress以外のCMSへの関心が高まっている背景には、いくつかの明確な理由があります。
セキュリティリスクへの懸念が最大の要因です。WordPressは市場シェアが高いがゆえに、サイバー攻撃の標的になりやすい特性があります。2024年から2025年にかけて、プラグインやテーマに関する脆弱性の新規登録は引き続き高水準で推移しており、特にテーマやプラグイン由来の脆弱性が全体の約97%を占めているという調査結果もあります。

WordPressはオープンソースという性質上、プログラム構造が公開されているため、脆弱な箇所が発見されやすいのです。中小企業のWeb担当者の中には「うちみたいに小さな会社のホームページは狙われないだろう」と楽観視する方もいますが、実際には企業規模に関わらず攻撃対象となるリスクがあります。
運用の複雑さも無視できません。WordPressは本体のアップデートに加え、プラグインやテーマの定期的な更新、PHPバージョンの管理など、継続的なメンテナンスが必要です。技術的な知識を持つ担当者がいない企業にとって、これらの作業は大きな負担となります。
さらに、初期設定の煩雑さも課題です。レンタルサーバーの契約、ドメインの取得、WordPressのインストール、テーマの選定、プラグインの設定など、Webサイトを公開するまでの工程が多く、初心者にはハードルが高いと感じられることも少なくありません。

ノーコード・SaaS型CMSの台頭
こうした課題に対する解決策として注目されているのが、ノーコード志向のSaaS型CMSです。
従来のCMSでは当たり前だった「サーバー管理」「セキュリティ対策」「システムアップデート」といった技術的な作業を、すべて提供会社が代行してくれます。利用者はブログサービスを使うような感覚で、デザイン性の高いサイトを素早く立ち上げることができるのです。
実際、WordPressのページビルダープラグイン「Elementor」の利用率が全サイトの12.9%に達しており、これはWixとSquarespaceを合わせた数よりも多い数字となっています。この数値は、「コードを書かずにドラッグ&ドロップでサイトを作りたい」というニーズの高さを明確に示しています。
オンライン販売の分野では、EC機能に特化したShopifyがCMS市場全体でWordPressに次ぐ第2位(シェア6.8%)に位置しています。Shopifyはサイトの表示速度などの技術的な指標でも高いパフォーマンスを発揮することが知られており、手軽に本格的なECビジネスを始めたい事業者にとって強力な選択肢となっているのです。

WordPress以外のCMS、主要な種類と特徴
CMSの選択肢は大きく分けて4つのタイプに分類できます。それぞれの特性を理解することで、自社に最適な選択が可能になります。

オープンソース型CMS
WordPressと同様に、誰でも無料で利用できるCMSです。代表的なものとしてはDrupalやJoomla!、国産ではEC-CUBEなどがあります。
オープンソース型の最大の利点は、基本的な利用が無料であること、そして世界中のコミュニティによって開発・改善が進められている点です。カスタマイズの自由度も高く、大規模なWebサイトにも対応できる拡張性を持っています。
ただし、導入や運用には一定の技術的知識が求められます。セキュリティ対策やアップデートも自己責任で行う必要があるため、社内にIT担当者がいない企業には向いていないケースもあります。
パッケージ型CMS
企業が開発・販売するCMSで、日本ではMovable TypeやPowerCMSが知られています。
商用製品であるため、公式のサポート体制が整っており、セキュリティ面での安心感があります。企業向けの機能が充実しているものが多く、権限管理や承認フローなど、組織での運用を想定した設計がなされています。
導入には初期費用やライセンス料が必要となりますが、その分サポートやセキュリティ対策が手厚く、長期的な運用を考えると十分に検討する価値があります。
クラウド型(SaaS型)CMS
最近注目を集めているのが、このクラウド型CMSです。Wix、Jimdo、STUDIO、Shopifyなどが代表的な例です。
クラウド型の大きな特徴は、サーバーやシステムの管理を提供会社に任せられる点にあります。ユーザーはWebブラウザからアクセスするだけで、すぐにWebサイトの構築や更新が可能です。
技術的な知識がなくても直感的に操作でき、多くのサービスで無料プランや無料トライアルが用意されているため、気軽に試すことができます。デザインテンプレートも豊富で、プロフェッショナルな見た目のサイトを短時間で作成できるのが魅力です。
ただし、カスタマイズの自由度はオープンソース型に比べると制限されることがあります。また、サービスの仕様変更や価格改定の影響を受ける可能性がある点も考慮が必要です。
ヘッドレスCMS
技術的に進んだ選択肢として、microCMS、Kuroco、ContentfulなどのヘッドレスCMSがあります。
従来のCMSがフロントエンド(表示部分)とバックエンド(管理部分)を一体化していたのに対し、ヘッドレスCMSはコンテンツ管理機能のみを提供します。表示部分は自由に設計できるため、Webサイトだけでなく、モバイルアプリやIoTデバイスなど、複数のチャネルで同じコンテンツを活用できます。
開発者にとっては最新の技術スタックを自由に選択でき、表示速度の向上やメンテナンス性の改善といったメリットがあります。ただし、実装には開発スキルが必要となるため、エンジニアリングリソースがある組織向けの選択肢といえるでしょう。
目的別・規模別おすすめCMS徹底比較
自社のニーズに合わせて、最適なCMSを選ぶためのガイドです。

個人・小規模事業者向けのCMS
Jimdo(ジンドゥー)は、究極のシンプルさを追求したCMSです。AIビルダー機能を使えば、いくつかの質問に答えるだけで自動的にWebサイトを作成してくれます。
有料プランは月額990円からと非常にリーズナブルで、個人事業主や小規模店舗に最適です。スマートフォンやタブレットからも編集できる専用アプリがあり、外出先でも気軽に更新作業ができます。
テンプレート数は限られていますが、その分迷うことなく選択でき、初心者でもスムーズにサイト制作を進められます。ただし、高度なカスタマイズや複雑な機能が必要な場合には物足りなさを感じるかもしれません。
Wixは、デザイン性と直感的な操作性に優れたプラットフォームです。900種類以上のテンプレートが用意されており、コーポレートサイトからポートフォリオサイトまで幅広いデザインに対応しています。
ドラッグ&ドロップで要素を自由に配置でき、アニメーション効果やシネマグラフといった動きのあるサイト制作も可能です。無料プランでも基本的な機能は使えますが、独自ドメインの利用や広告非表示のためには有料プラン(月額1,200円から)への加入が必要となります。
注意点として、JimdoとWixにはバックアップ機能がないため、サーバー障害などのトラブルでデータが消失するリスクがあります。重要なコンテンツは定期的にローカルに保存しておくことをおすすめします。
中小企業向けのCMS
STUDIOは、デザイナーやクリエイターから高い支持を集める国産のノーコードツールです。コードを書かずに高度なデザインを実現でき、レスポンシブデザインにも標準で対応しています。
日本企業が開発しているため、日本語サポートが充実しており、操作マニュアルやチュートリアルもわかりやすいのが特徴です。無料プランでも5ページまで公開でき、有料プランは月額980円からとコストパフォーマンスに優れています。
複数人での共同編集機能もあり、制作チームでの作業にも適しています。ただし、ブログ機能や高度なSEO設定については、他のCMSに比べるとやや機能が限定的な面もあります。
ferret Oneは、BtoBマーケティングに特化したCMSです。リード獲得のためのフォーム作成、MA(マーケティングオートメーション)機能、アクセス解析など、マーケティング活動に必要な機能が統合されています。
営業支援ツールとの連携も可能で、Webサイトからの問い合わせを効率的に商談につなげることができます。初期費用や月額料金は他のSaaS型CMSと比べると高めですが、マーケティング専任の担当者がいない中小企業にとっては、外部ツールを複数契約するよりもコストパフォーマンスが良い場合もあります。
ECサイト構築向けのCMS
オンラインストア運営を考えているなら、Shopifyが圧倒的におすすめです。世界のEC市場でトップシェアを誇り、175カ国以上で利用されています。
決済機能が非常に充実しており、クレジットカード、デジタルウォレット、後払い決済など多様な支払い方法に対応しています。在庫管理、配送設定、顧客管理といったEC運営に必要な機能がオールインワンで提供されるため、ECサイトの構築から運営まで一貫して行えるのが大きな強みです。
月額料金は33ドル(ベーシックプラン)からで、取引手数料が別途かかります。ただし、Shopifyペイメントを使用すれば取引手数料が無料になるなど、コスト面での工夫もできます。
国内のEC事業者にはカラーミーショップも選択肢の一つです。日本企業が運営しているため、国内の商習慣に合わせた機能や、きめ細かな日本語サポートが受けられます。月額料金も比較的リーズナブルで、小規模ECからスタートしたい事業者に適しています。
大企業・エンタープライズ向け
大規模なWebサイトや複雑な要件を持つプロジェクトには、DrupalやAdobe Experience Managerなどのエンタープライズ向けCMSが適しています。
Drupalは高度なセキュリティ機能と拡張性を持ち、政府機関や大学、大企業のWebサイトで採用されています。複雑な権限管理や多言語対応、大量のコンテンツ管理にも対応できますが、導入や運用には専門的な知識が必要です。
Adobe Experience Managerは、Adobeのマーケティングツール群と統合されており、Webサイト運営とマーケティング活動を一元管理できます。ただし、導入コストは数百万円から数千万円規模となることもあり、予算とリソースが潤沢な大企業向けのソリューションといえるでしょう。
開発者・技術者向けのCMS
microCMSは日本発のヘッドレスCMSで、APIを通じてコンテンツを配信する仕組みです。開発者は好みのフロントエンドフレームワーク(React、Vue.js、Next.jsなど)を使ってUIを自由に設計できます。
管理画面は直感的でマーケターでも扱いやすく、コンテンツの入稿や更新は技術的な知識がなくても可能です。開発者とマーケターの分業がスムーズに行え、インフラ管理のコストを削減しながら柔軟なWebサイト構築ができます。
無料プランでも基本的な機能が使え、小規模なプロジェクトで試してみることができます。有料プランは月額5,000円からで、APIコール数やコンテンツ数に応じて料金が変動します。
Contentfulはグローバルで広く使われているヘッドレスCMSで、多言語対応や複数チャネルへのコンテンツ配信に強みを持っています。大規模プロジェクトにも対応できるスケーラビリティがあり、エンタープライズレベルでの利用実績も豊富です。
WordPress以外のCMSを選ぶ際の重要ポイント
失敗しないCMS選びのために、チェックすべきポイントを整理します。

運用体制とスキルレベルの確認
まず考えるべきは、誰がWebサイトを運用するのかという点です。
社内にITリテラシーの高い担当者がいる、または外部の制作会社と継続的に契約している場合は、WordPressのようなカスタマイズ性の高いCMSも選択肢に入ります。一方、担当者がWebの専門家ではなく、他の業務と兼任している場合は、直感的に操作できるWixやJimdoのようなツールが現実的です。
「最初は簡単なツールで始めて、後から高機能なCMSに移行すればいい」と考える方もいますが、CMSの移行作業は想像以上に大変です。コンテンツの移行、URLの変更、SEO対策のやり直しなど、多くの工数がかかります。将来的な拡張性も含めて、最初の選択を慎重に行うことが重要です。
目的とサイト規模の明確化
「とりあえずWebサイトが欲しい」という漠然とした目的ではなく、具体的に何を実現したいのかを明確にしましょう。
名刺代わりの会社案内サイトなのか、定期的に情報発信するオウンドメディアなのか、商品を販売するECサイトなのか。目的によって必要な機能は大きく異なります。
また、公開時のページ数だけでなく、1年後、3年後にどのくらいの規模になる予定かも考慮すべきです。将来的にページ数が大幅に増える予定があるなら、コンテンツ管理がしやすいCMSを選ぶ必要があります。
複数の担当者でコンテンツを更新する可能性がある場合は、権限管理機能の有無も確認ポイントです。誰が何を編集できるかを細かく設定できるCMSなら、安全にサイト運営ができます。
セキュリティとサポート体制
Webサイトは一度公開したら終わりではありません。継続的な運用の中で、セキュリティ対策は極めて重要な要素となります。
クラウド型CMSの場合、セキュリティ対策やシステムアップデートは基本的に提供会社が行ってくれます。これは技術的なリソースが限られている企業にとって大きなメリットです。ただし、サービスの継続性については確認が必要です。サービスが突然終了するリスクはゼロではありません。
サポート体制も重要な検討材料です。日本語でのサポートが受けられるか、問い合わせの方法(メール、電話、チャットなど)は何があるか、有料プランでのサポート内容はどうかなどを事前に確認しましょう。
海外製のサービスは機能が充実していても、日本語サポートが不十分な場合があります。トラブル発生時に迅速な対応が受けられるかは、ビジネスの継続性に直結する問題です。
デザインの自由度とカスタマイズ性
ブランドイメージを重視する企業にとって、Webサイトのデザインは妥協できないポイントでしょう。
クラウド型CMSの多くはテンプレートベースでデザインを選ぶ仕組みになっており、一定の範囲内でのカスタマイズは可能ですが、完全なオリジナルデザインを実現するのは難しい場合があります。
企業のブランディングが確立しており、独自性の高いデザインが必要な場合は、WordPress+カスタムテーマやヘッドレスCMSのような、デザインの自由度が高い選択肢を検討すべきです。
ただし、「デザインは多少テンプレート的でも、運用のしやすさを優先したい」という場合は、クラウド型CMSの豊富なテンプレートから選ぶ方が効率的です。完璧を求めるより、ビジネスの成果に直結する選択を心がけましょう。
SEO対策機能の確認
どんなに優れたWebサイトを作っても、検索エンジンで見つけてもらえなければ意味がありません。
基本的なSEO機能(タイトルタグ、メタディスクリプション、見出しタグの設定など)は、ほとんどのCMSで対応しています。ただし、構造化データの設定、XMLサイトマップの自動生成、ページ表示速度の最適化といった、より高度なSEO対策については、CMSによって対応状況が異なります。
Wixは近年SEO機能を大幅に強化しており、以前は「WixはSEOに弱い」と言われていましたが、現在ではかなり改善されています。JimdoもSEOプランを新たに追加し、SEO対策に力を入れています。
ただし、ページの読み込み速度はSEOにおいて非常に重要な要素です。クラウド型CMSの中には、デザイン要素が多いために表示速度が遅くなるケースもあります。実際にサイトを作成する前に、デモサイトの表示速度などを確認しておくことをおすすめします。
コストの総合的な検討
CMSのコストは月額料金だけでは判断できません。トータルコストで比較することが重要です。
無料や低価格のプランは魅力的ですが、機能制限がある場合が多く、ビジネスが成長するにつれて上位プランへの移行が必要になることも。その際の移行コストや、機能追加にかかる費用も考慮しなければなりません。
WordPressの場合、CMSそのものは無料ですが、レンタルサーバー代(月額数百円から数千円)、ドメイン代(年額数百円から数千円)、有料テーマ(数千円から数万円)、プラグイン(無料から月額数千円)、セキュリティ対策やメンテナンスの外注費(月額数千円から数万円)といった費用が発生します。
クラウド型CMSは月額料金にサーバー代やセキュリティ対策が含まれているため、一見高く見えても、実はトータルで安い場合もあります。3年間、5年間といった中長期的な視点で、総コストを計算してみることをおすすめします。

よくある疑問にプロが答えるQ&A
Q1: WordPress以外でブログ運営はできますか?
できます。むしろ、純粋なブログ運営であれば、WordPressよりも手軽な選択肢が複数あります。
noteは、文章を書くことに特化したプラットフォームで、アカウント作成後すぐに記事を公開できます。SEOにも強く、noteのドメインパワーを活用できるため、個人ブログを始めるならおすすめの選択肢です。ただし、デザインのカスタマイズはほとんどできず、広告も掲載できません。
はてなブログも長い歴史を持つブログサービスで、はてなブックマークというソーシャル機能と連携しており、記事がバズりやすい特徴があります。無料プランと有料プラン(月額600円から)があり、有料プランでは独自ドメインの利用や広告非表示が可能です。
企業のオウンドメディア運営なら、はてなブログ Mediaという企業向けプランもあります。記事の予約投稿、複数ライターの管理、アクセス解析など、ビジネス利用に必要な機能が揃っています。
Q2: ECサイトはWordPress以外で作れますか?
ECサイトこそ、WordPress以外の選択肢が優れているケースが多いです。
WordPressでECサイトを構築する場合、WooCommerceというプラグインを使うのが一般的ですが、設定が複雑で決済機能の実装にも手間がかかります。セキュリティ面でも、顧客情報やクレジットカード情報を扱うため、高度な対策が必要です。
Shopifyを使えば、これらの課題が一気に解決します。決済機能は最初から組み込まれており、PCI DSS(クレジットカード業界のセキュリティ基準)にも準拠しています。在庫管理、配送設定、顧客管理などEC運営に必要な機能がすべて揃っており、月額料金だけで本格的なオンラインストアを運営できます。
小規模なECサイトであれば、BASEやSTORESといった国産のECプラットフォームも選択肢です。初期費用・月額費用が無料のプランもあり、売上が発生したときだけ手数料を支払う仕組みなので、リスクを抑えて始められます。
Q3: SEO対策はWordPressが一番強いのでは?
確かにWordPressはSEOに強いとされていますが、「WordPressだから上位表示される」わけではありません。重要なのはCMSの種類ではなく、コンテンツの質と適切なSEO設定です。
近年のクラウド型CMSは、基本的なSEO機能を十分に備えています。Wixは独自のSEO診断ツールを提供しており、不足しているポイントと改善方法を教えてくれます。STUDIOもメタタグの設定やOGP設定が簡単にでき、構造化データにも対応しています。
実際、大手企業の中にもWixやSquarespaceで構築されたサイトで高い検索順位を獲得している例は多数あります。
ただし、ページ表示速度については注意が必要です。一部のクラウド型CMSは、デザイン機能が豊富な反面、JavaScriptが多用されていて表示速度が遅くなる傾向があります。Googleは表示速度をランキング要因の一つとしているため、この点は軽視できません。
表示速度を重視するなら、Next.jsなどの高速フレームワークとヘッドレスCMSを組み合わせた構成も検討する価値があります。技術的なハードルは高くなりますが、最高レベルのパフォーマンスを実現できます。
Q4: 無料プランだけでビジネス利用は可能ですか?
可能ですが、おすすめはしません。
無料プランには通常、以下のような制限があります:
独自ドメインが使えない(例: yoursite.wixsite.com/mysite)
サービスの広告が表示される
ストレージ容量が限られている
アクセス解析機能が使えない、または制限される
サポートが受けられない、または優先度が低い
ビジネスの信頼性を損なうリスクがあるため、少なくとも独自ドメインが使えるプランへのアップグレードを推奨します。月額1,000円程度の投資で、大きく印象が変わります。
ただし、サービスのテスト運用や、短期間のキャンペーンサイトなどでは、無料プランを活用するのも一つの手です。実際に使ってみて操作性を確認してから有料プランに移行すれば、失敗のリスクを減らせます。
Q5: 将来的にWordPressへ移行することは可能ですか?
技術的には可能ですが、簡単ではありません。
WixやJimdoからWordPressへの移行は、専門的な知識が必要で、以下のような作業が発生します:
コンテンツのエクスポート(手作業になる場合も)
WordPress側でのインポート設定
画像やメディアファイルの移行
URLの変更とリダイレクト設定
デザインの再構築
SEO設定のやり直し
URLが変わることによるSEOへの影響も無視できません。検索順位が一時的に下がる可能性があり、ビジネスに影響が出るリスクもあります。
そのため、「とりあえず簡単なツールで始めて、後でWordPressに移行すればいい」という考え方はおすすめしません。最初から3年後、5年後の事業規模を想定して、適切なCMSを選ぶ方が結果的に効率的です。
どうしても移行が必要になった場合は、専門の制作会社に依頼することをおすすめします。移行作業の代行サービスを提供している会社も多く、手間とリスクを最小限に抑えられます。
【2025年最新】主要CMSの料金比較表
実際の費用感を把握するために、主要なCMSの料金を比較してみましょう。
個人・小規模ビジネス向け
CMS 無料プラン 基本プラン 機能 Wix あり 月額1,200円~ ドラッグ&ドロップ、900+テンプレート Jimdo あり 月額990円~ AIビルダー、シンプルな操作性 STUDIO あり 月額980円~ デザイン性重視、レスポンシブ対応 ペライチ あり 月額1,465円~ LP特化、決済機能あり
中小企業向け
CMS 初期費用 月額料金 特徴 ferret One 要問合せ 要問合せ BtoBマーケティング統合 NOREN 要問合せ 要問合せ オウンドメディア特化、継続率96% Movable Type 90,000円~ なし(買い切り) 国産、大規模サイト対応
ECサイト向け
CMS 月額料金 取引手数料 特徴 Shopify 33ドル~ 2.9%+30¢~ 世界標準、多機能 BASE 無料~ 3.6%+40円~ 国産、初心者向け STORES 無料~ 5%~ 国産、デザイン豊富 カラーミーショップ 無料~ なし 国産、老舗サービス
WordPress(参考)
項目 費用 CMS本体 無料 レンタルサーバー 月額500円~3,000円 ドメイン 年額1,000円~3,000円 有料テーマ 5,000円~30,000円(買い切り) プラグイン 無料~月額数千円 保守・セキュリティ対策 月額5,000円~30,000円(外注の場合)
このように、見た目の料金だけでなく、実際の運用コストを総合的に判断することが重要です。WordPressは一見無料に見えても、実際には月額数千円から数万円のコストがかかるケースが多いのです。
まとめ:あなたに最適なCMSの選び方

WordPress以外のCMSを選ぶことは、決して「妥協」ではありません。むしろ、自社のニーズに合った最適なツールを選ぶという、賢明な判断です。
重要なのは、「有名だから」「みんなが使っているから」という理由ではなく、以下の観点から冷静に判断することです:
運用体制: 誰がサイトを更新するのか、技術的なサポートは得られるのか
目的と規模: どのようなサイトを作りたいのか、将来的にどう発展させたいのか
予算: 初期費用だけでなく、3年間、5年間の総コストはいくらか
セキュリティ: 自社で対策できるのか、それともプロに任せるべきか
サポート: トラブル時に日本語で迅速なサポートが受けられるか
初心者や小規模事業者なら、WixやJimdoのような直感的に使えるクラウド型CMSが最適です。技術的な心配をせず、ビジネスの本質に集中できます。
ECサイト運営を考えているなら、Shopifyが圧倒的におすすめです。決済から配送まで、EC運営に必要なすべてが揃っています。
中小企業でマーケティングに力を入れたいなら、ferret OneやNORENのような統合型CMSが効率的です。複数のツールを使い分ける手間が省けます。
開発リソースがあり、独自性を追求したいなら、WordPressやヘッドレスCMSが適しています。カスタマイズの自由度は無限大です。
どのCMSにも一長一短があり、完璧なツールは存在しません。しかし、自社の状況を正しく理解し、優先順位を明確にすれば、最適な選択は必ず見つかります。
この記事で紹介した情報を参考に、ぜひあなたのビジネスに最適なCMSを見つけてください。多くのサービスが無料トライアルや無料プランを提供しているので、実際に触ってみて、使い心地を確認することをおすすめします。
Webサイトは作って終わりではなく、継続的に育てていくものです。長く付き合えるパートナーとして、納得のいくCMSを選びましょう。