ローカルSEOとは?MEOとの違いと対策の実践ポイントを解説

「近くのカフェ」「渋谷 美容院」「新宿 歯医者 おすすめ」こうした検索をスマートフォンで行うとき、Googleの検索結果にはWebサイトの一覧だけでなく、地図付きで店舗が3件並ぶ枠が表示されることに気づいた方も多いでしょう。あの表示こそがローカルSEOの主戦場です。
ローカルSEOとは、特定の地域や場所に関連した検索クエリに対して、自社の店舗・施設情報を上位に表示させるための施策を指します。通常のSEOが検索全体を対象とするのに対し、ローカルSEOは「今いる場所の近く」「特定の地域で」という文脈を持つ検索に特化している点が大きな違いです。
飲食店、美容院、クリニック、整骨院、不動産、学習塾、フィットネスジム…こうした地域密着型のビジネスにとって、ローカルSEOは集客の根幹をなす施策になりつつあります。一方で、「MEOとどう違うのか」「何から始めれば良いのか」が分からないまま手つかずになっているケースも少なくありません。
この記事では、ローカルSEOの基本概念から、MEOとの関係性、上位表示の仕組み、具体的な対策方法まで、実務に役立つ視点を交えながら解説していきます。
ローカルSEOとは何か
「地域性のあるキーワード」に特化したSEO
ローカルSEO(Local SEO)は、Googleをはじめとする検索エンジンが「地域性のある検索クエリ」と判断した際に表示する、特定の検索結果に最適化するための手法です。
地域性のあるクエリとは、大きく2種類に分けられます。ひとつは「新宿 ラーメン」「大阪 税理士」のように地名が明示されたクエリ。もうひとつは、「近くのコンビニ」「今いる場所のドラッグストア」のように、ユーザーの現在地を考慮してGoogleが地域情報を優先表示するクエリです。後者は地名を含まなくても、Googleがユーザーの位置情報をもとにローカル検索として処理します。
つまり、ローカルSEOで対策が必要なのは「地名+サービス名」という形の検索だけではありません。業種やサービスカテゴリを単体で検索した場合も、Googleが「近くで探しているのだろう」と判断すれば、ローカルパックと呼ばれる地図付きの検索結果が表示されます。飲食店や医療機関などはその代表例で、地名を含まないキーワードでも日常的にローカル検索として扱われています。
通常のSEOとの違い
通常のSEO(一般検索最適化)が対象とするのは、検索結果ページのオーガニック(自然検索)リストです。記事や製品ページ、サービス紹介ページといったWebコンテンツの質と権威性を高め、検索順位を引き上げることを目指します。
ローカルSEOはその上位概念ではなく、いわば「並走する別レーン」です。ローカル検索の場合、通常のオーガニックリストの上や横にローカルパック(地図枠)が表示されます。このローカルパックへの掲載に影響するのが、主にGoogleビジネスプロフィール(旧称Googleマイビジネス)の情報です。一方で、その下に続くオーガニックリストはWebサイトのSEO評価が大きく影響します。
地域で集客したいビジネスにとっては、ローカルパックとオーガニックリストの両方に登場することが理想であり、それぞれへのアプローチが必要です。どちらかだけでよいというわけではなく、Googleビジネスプロフィールの最適化と、公式Webサイトのコンテンツ・技術的な最適化を並行して進めることが実務上の基本姿勢になります。
ローカルSEOが機能する業種・場面
地域に根ざしたリアル店舗や施設を運営しているビジネスは、ほぼ全てローカルSEOの恩恵を受け得ます。特に効果が顕著なのは、飲食業(レストラン・カフェ・居酒屋)、美容・健康系(美容院・エステ・整骨院・クリニック)、不動産・住宅サービス、教育・学習塾、車関連サービス(修理・レンタカー)などです。
また、複数店舗を展開するチェーン店にとっても、各拠点のローカル集客を個別に最適化できる点で有効です。ナショナルブランドであっても、地域単位のローカルSEOを疎かにすると、近隣の小規模店舗に検索結果で負けてしまうケースが実際に起きています。
ローカルSEOとMEOの違い
MEOとは何か
MEO(Map Engine Optimization)は、Googleマップ上での表示順位を上げるための対策を指します。日本独自の用語として広まりましたが、Googleの公式な概念ではなく、マーケティング業界が便宜上使っている呼び方です。
MEOの主な対象はGoogleマップの検索結果であり、具体的にはGoogleビジネスプロフィールを整備して、Googleマップ上での表示と順位を最適化することを目指します。
ローカルSEOとMEOの関係
混同しやすいのですが、ローカルSEOとMEOは「大と小」の関係にあると考えると整理しやすくなります。
ローカルSEOは、Google検索全体における地域性の高い検索結果を最適化する概念です。その対象には、Googleマップの順位(MEOの範疇)も含まれますし、通常の検索結果ページに表示されるローカルパック(地図付き3件枠)も含まれます。さらに、公式Webサイトのオーガニック検索順位もローカルSEOの文脈で語られます。
つまり、MEOはローカルSEOを構成する要素のひとつです。Googleビジネスプロフィールを最適化してGoogleマップでの表示を改善する取り組みは、同時にローカルパックの順位改善にも寄与します。
実務上は「MEO対策」と「ローカルSEO対策」を明確に区別することより、Googleビジネスプロフィールの最適化と公式Webサイトの両面からアプローチするという視点を持つことの方が重要です。どちらか一方だけで完結する話ではないからです。
ローカルSEOが重要な理由
モバイル検索とローカル意図の増加
Googleが公開しているデータによると、モバイルでの検索のうち「near me(近くの〜)」を含む検索は、ここ数年で大幅に増加しています。また、Google の検索の約30%はローカル性を持つとも言われており(出典:Google の内部データ、Think with Google)、スマートフォンの普及がローカル検索を日常的な行動として定着させたことは間違いありません。
外出先でその場の選択をスマートフォンで調べるという行動様式が根付いた結果、ユーザーが「今すぐ行く場所を決める」ための検索が急増しています。こうした検索は購買・来店への転換率が高く、ビジネス的な意義も大きいといえます。
競合が少なく費用対効果が高い
通常のSEOでは、全国規模・グローバル規模の競合サイトと同じ土俵で戦うことになります。大手メディアや予算の潤沢な企業が上位を占めるケースも多く、中小規模のビジネスが参入しても成果を出すまでに時間とコストがかかりがちです。
一方、ローカルSEOの競合は基本的に同一地域内に絞られます。「品川区のネイルサロン」であれば、競合は品川区内の同業他者に限定されるわけです。全国的な知名度やドメインパワーがなくても、地域に根ざした情報発信と口コミ管理を丁寧に行うだけで上位表示が狙える土壌があります。
Googleビジネスプロフィールへの登録自体は無料ですし、広告費用をかけずに継続的な集客を実現できる点も特徴です。有料広告(Google広告やローカル広告)と組み合わせることで相乗効果も期待できますが、まずはオーガニックなローカルSEO施策だけでも十分な効果を出しているビジネスは多く存在します。
購買・来店意欲の高いユーザーにリーチできる
ローカル検索をしているユーザーは、情報収集の初期段階ではなく「近いうちに行く場所を決めようとしている」段階にいることが多いです。「渋谷 ランチ 個室」と検索している人は、今日か近日中にその条件で食事する意図が高い。このような来店意欲の高いユーザーに対して、適切なタイミングでビジネス情報を届けられるのがローカルSEOの強みです。
コンバージョンファネルで言えば、ローカル検索は検討〜行動の段階に近い位置にあります。情報系のコンテンツSEOで認知を広げるアプローチとは異なり、より直接的に集客・来店に結びつく施策という性格を持っています。
ローカルSEOの検索結果の種類
ローカルSEOを理解するうえで、どの検索結果枠に何が表示されるのかを把握しておくことは重要です。主に2種類の表示形式があります。
ローカルパック
ローカルパックとは、Googleの検索結果ページ上部または中段に表示される、地図と複数のビジネス情報を組み合わせた枠のことです。通常は3件のビジネスが表示されることから「ローカル3パック」と呼ばれることもあります。
ローカルパックにはさらにいくつかのバリエーションがあります。
ローカルスナックパックは、表示件数が厳選された形式で、検索キーワードとの関連性・距離・知名度を総合評価した上位3件が並びます。最もよく見かける形式で、特定のカテゴリ(飲食・美容など)では検索結果の最上部に表示されることも珍しくありません。
ローカルABCパックは、ナビゲーション用途が強い検索(観光地やルート探索など)で表示されることがある形式で、各スポットにA・B・Cのラベルが付いた地図とともに表示されます。
このローカルパックへの掲載は、Googleビジネスプロフィールの情報とその最適化度が主な評価軸になります。
ナレッジパネル
ナレッジパネルは、検索結果の右側(デスクトップ)や上部(モバイル)に、特定のビジネスや場所についての詳細情報がカード形式で表示されるものです。
たとえば「〇〇ハウス 新橋店」のように、特定の店舗名を直接検索した場合に表示されます。営業時間、住所、電話番号、写真、口コミ評価などが一覧で確認でき、ユーザーがそのまま電話やルート案内に進めるような導線が整っています。
ナレッジパネルはGoogleビジネスプロフィールのデータをもとに生成されるため、情報の正確さと充実度が直接影響します。特に営業時間の更新や写真の品質は、ナレッジパネルの印象を大きく左右します。
ローカルファインダー
「もっと見る」や「すべて表示」をクリックすると表示される、ローカルパックの拡張版がローカルファインダーです。地図と一覧リストが組み合わさったインターフェースで、より多くのビジネスが表示されます。ローカルパックに入れなかった場合でも、ローカルファインダー内での表示順位を改善することで来店機会を確保できます。
ローカルSEOの表示順位が決まる3つの要素
Googleはローカル検索の表示順位を決める要素として、公式に3つの指標を明示しています。この3要素を理解することが、ローカルSEO対策の出発点です。
関連性(Relevance)
関連性とは、ユーザーが入力した検索クエリと、ビジネス情報がどれだけ一致しているかを示す指標です。
Googleビジネスプロフィールに登録されているビジネスカテゴリ、サービス内容、説明文、投稿などが評価対象になります。「渋谷 イタリアン」と検索した場合、Googleはカテゴリ設定やプロフィール内容をもとに、その検索に最も関連性が高い店舗を判断します。
実務的には、ビジネスカテゴリをできるだけ正確に設定すること、そして「サービス」や「商品」の情報欄を充実させることが関連性向上の基本です。公式Webサイトの内容との整合性も評価に影響するため、Webサイト上で地域キーワードを含んだコンテンツを持つことも重要です。
距離(Distance)
距離は、ユーザーの現在地(または検索に含まれた地名)と、ビジネスの所在地との物理的な近さを指します。
距離の短さは有利に働きますが、必ずしも最も近い店舗が最上位に来るわけではありません。関連性や知名度が圧倒的に高ければ、より遠くの店舗が上位に表示されることもあります。
また、ユーザーが「渋谷 居酒屋」のように地名を含めた検索をした場合、Googleはその地名の中心から距離を計算します。実際の現在地とは異なる計算が行われる点は覚えておくと良いでしょう。
知名度(Prominence)
知名度は、そのビジネスがどれだけオフライン・オンラインで認知されているかを示す指標です。Googleは「視認性の高さ」と表現することもあります。
評価に影響する要素は多岐にわたります。Webサイトへの被リンクの質と数、Googleの口コミの件数と評価点、口コミへの返信状況、Webメディアや地域のポータルサイトへの掲載(サイテーション)、Googleビジネスプロフィールへの写真投稿頻度などが複合的に評価されます。
知名度はすぐに高められるものではなく、継続的な取り組みが必要な要素です。しかし逆に言えば、地道な取り組みが着実に蓄積されると、競合が追いつきにくい優位性を構築できます。
ローカルSEOの具体的な対策方法
Googleビジネスプロフィールの最適化
ローカルSEO対策の出発点であり、最も優先度が高い施策です。Googleビジネスプロフィール(GBP)は無料で登録・管理でき、ローカルパックやナレッジパネルへの表示に直接影響します。
まず基本情報の正確な入力が前提です。ビジネス名、住所、電話番号、営業時間、Webサイトのリンク。これらはNAP情報(後述)として整合性の高さが求められます。
次に、ビジネスカテゴリの選定に注意が必要です。メインカテゴリは最も実態に即したものを選び、サブカテゴリも適切に追加します。たとえば「イタリアン レストラン」をメインにしつつ、「ピザレストラン」や「ワインバー」をサブとして追加するといった形です。カテゴリはGoogleが提供するリストから選ぶ必要があり、存在しないカテゴリを自由入力することはできません。
写真の充実も効果的です。外観、内観、料理・商品、スタッフ写真などを定期的に投稿することで、クリック率と関与度が向上します。Googleは「オーナーが積極的に情報を更新している」シグナルを評価するため、写真の定期更新はSEO的にも意味を持ちます。
「投稿」機能を活用してイベント情報や新商品、キャンペーンを発信することも、プロフィールの鮮度を保つうえで有効です。
NAP情報の統一
NAP(Name、Address、Phone)とは、ビジネスの名称・住所・電話番号の3情報を指します。この情報がWeb上のさまざまな場所で一致していることが、ローカルSEOにおける信頼性の基盤になります。
問題になりやすいのは、Googleビジネスプロフィール、公式Webサイト、各種ポータルサイト(食べログ、ホットペッパー、ぐるなびなど)でビジネス名や住所の表記が微妙に異なるケースです。「株式会社」の有無、番地の全角・半角の違い、ビル名の有無といった細かい差異でも、Googleが「別の店舗情報」として処理するリスクがあります。
定期的にNAP情報を棚卸しして、主要なプラットフォーム全体で表記を統一させることが必要です。なお、移転や電話番号変更の際には、全プラットフォームを速やかに更新する必要があります。更新漏れが発生すると、ユーザーが誤った情報で来店しようとして問題になるのはもちろん、信頼性シグナルの低下にも繋がります。
口コミの獲得と管理
口コミ(Googleレビュー)は、知名度と関連性の両方に影響する重要な要素です。件数が多く、評価点が高いほど順位向上に寄与しますが、それ以上にユーザーの意思決定に直接影響するため、ビジネスとしての価値も高い施策です。
口コミを増やすための基本的なアプローチは、来店後や購入後にレビュー投稿を丁寧にお願いすることです。Googleビジネスプロフィールには口コミ依頼用の短縮URLが発行できる機能があり、LINE公式アカウントやレシートのQRコードなどを通じて誘導しやすくなっています。
口コミへの返信は、必ず行うべき取り組みです。好意的な口コミにはお礼を伝え、ネガティブな口コミには誠実かつ冷静に状況を説明する姿勢が求められます。返信の有無と質もGoogleの評価対象になっており、未返信のまま放置しているプロフィールは信頼性が低く見られる傾向があります。
自作自演の口コミ投稿、金銭や特典と引き換えのレビュー依頼はGoogleのガイドラインで明示的に禁止されています。発覚した場合はプロフィールが削除されるリスクがあり、絶対に行ってはいけません。
公式Webサイトのローカル最適化
Googleビジネスプロフィールだけでなく、公式Webサイト側のSEO対策もローカル検索の順位に影響します。
地域キーワードを意識したコンテンツを作成することが第一歩です。たとえば「品川区の整骨院」であれば、「品川区 整骨院」「品川区 腰痛」といったキーワードで検索されるコンテンツページを持つことが重要です。エリアページや地域特化のサービスページを設けることで、関連性のシグナルが強化されます。
Webサイトのタイトルタグ(title)、メタディスクリプション(meta description)、Hタグ(見出し)にも地域キーワードを自然な形で含めることが基本です。ただし、キーワードを詰め込みすぎると不自然なコンテンツと見なされるため、あくまで読者にとって意味のある文脈で使うことが前提です。
構造化データ(Schema.org)のLocalBusinessマークアップを設定することで、Googleに対してビジネスの種類・所在地・営業時間などの情報を構造化された形式で伝えられます。特に複数店舗を持つ場合は、各店舗ページへの構造化データ実装が推奨されます。
サイテーションの獲得
サイテーション(Citation)とは、Webサイト以外の場所でビジネスのNAP情報が言及・掲載されることを指します。食べログ、ぐるなび、ホットペッパー、Yelp、各業種専門のポータルサイト、地域の商工会議所サイトなどがその例です。
サイテーションの数と質(掲載サイトの信頼性)は、知名度シグナルとしてGoogleが評価します。特に業界関連のポータルサイトや地域密着のメディアへの掲載は、関連性と知名度の両方を高める効果があります。
地域の商工会議所やビジネス団体への加入も、サイテーション獲得の有効な手段のひとつです。こうした組織のWebサイトからの被リンクは、権威性の観点でも価値があります。
被リンクの獲得
一般的なSEOと同様、ローカルSEOでも質の高い被リンクは順位向上に貢献します。地元の新聞社やメディア、地域情報サイト、業界メディアなどからの被リンクは特に効果的です。
プレスリリース配信、地域イベントへの協賛・参加、地元メディアへの取材対応など、地域コミュニティと関わる活動を通じてリンクを自然に獲得していくアプローチが王道です。リンク購入などのブラックハット手法はGoogleのペナルティ対象であり、絶対に避けるべきです。
ローカルSEOの効果測定
施策を実行した後、効果を適切に測定することが改善サイクルを回すために欠かせません。
Googleビジネスプロフィールのインサイト(パフォーマンス)機能では、プロフィールへのアクセス数、電話タップ数、ルート案内タップ数、Webサイトへのクリック数などを確認できます。これらのデータを定期的に追い、施策前後の変化を比較することで、取り組みの効果を評価できます。
ローカルパックやGoogleマップでの検索順位を確認するには、専用のローカルSEOツールが有効です。GyroNやMieruca MEOなど、店舗の検索順位を地域グリッド単位で可視化できるツールが複数存在します。自分の手元でGoogleマップを検索して確認する方法もありますが、現在地や個人化の影響を受けるため、正確な順位把握には専用ツールを使う方が信頼性は高くなります。
やってはいけないNG行動と注意点
口コミの自作自演と不正操作
自分や知人が架空のアカウントでレビューを投稿したり、インフルエンサーや第三者に対価を払って口コミを依頼したりすることは、Googleのレビューポリシーに明確に違反します。発見された場合はGoogleビジネスプロフィールが削除または停止される可能性があり、復旧に多大な手間がかかります。
同業他社の悪評を投稿するなどの妨害行為も同様です。競合から嫌がらせの口コミを付けられた場合は、Googleへの報告(フラグ申告)を行い、誠実な返信で状況を説明することが適切な対応です。
NAP情報の不一致・放置
引越しや電話番号変更の際に、一部のプラットフォームだけ更新して他を放置するケースが起きやすいです。情報の不整合はGoogleの信頼性評価を下げるだけでなく、ユーザーが誤った情報でアクセスしてしまう実害も生じます。
定期的に主要なプラットフォームを点検し、NAP情報が最新かつ統一されているかを確認する習慣を持つことが重要です。
地域名の乱用とキーワードスタッフィング
「[地名]+[サービス名]」というキーワードを意識するあまり、コンテンツに不自然なほど多くの地名を詰め込んでしまうケースがあります。「東京 新宿 渋谷 港区 美容院 美容室」のように、文脈なくキーワードを羅列することはガイドライン違反です。
あくまでユーザーにとって意味のある文章の中で地域キーワードを使い、読みやすさと自然さを保つことが原則です。また、ビジネス名に「近くの歯医者」「渋谷の美容院」といったキーワードを混入させることもGoogleのガイドラインで禁止されています。
情報の長期間放置
Googleビジネスプロフィールを一度登録して終わり、という運用は望ましくありません。営業時間の変更や定休日の変更(特に年末年始・祝日)を更新せずにいると、ユーザーの信頼を損ないます。
また、口コミへの返信を放置し続けることも、知名度評価やユーザーの印象に悪影響を及ぼします。週に一度程度はプロフィールの確認と、必要に応じた更新を行う運用フローを整えることが実用的です。
業種別のローカルSEO傾向と注目ポイント
ローカルSEOの施策の基本は共通していますが、業種によって重視すべきポイントや競合状況が異なります。代表的な業種ごとの傾向を把握しておくと、自社の施策設計に役立ちます。
飲食・カフェ・居酒屋
飲食業は、ローカル検索の競争が最も激しい業種のひとつです。口コミの件数と評価点が順位に強く影響し、写真の質もクリック率を左右します。料理写真や店内の雰囲気写真は、プロカメラマンを使うほどの投資対効果があるケースも多いです。
メニューや価格帯の情報をGoogleビジネスプロフィールに登録しておくことで、ユーザーの事前検討を助けられます。Google検索から「今夜どこで食べるか」を決めるユーザーの意思決定を後押しする情報設計が重要です。
美容院・エステ・ネイルサロン
美容系は「指名買い」と「新規来店」が混在する業種です。ローカル検索では主に新規来店を狙う施策として機能します。地域名+メニュー(「品川 縮毛矯正」「渋谷 ジェルネイル」)などの検索に対して、専門ページを持つことが関連性向上につながります。
スタッフ紹介ページや実績写真(ビフォーアフター)も、口コミと並んで来店判断に影響するコンテンツです。Googleビジネスプロフィールの「サービス」欄を活用して、メニュー一覧を整備しておくことが実用的です。
医療・クリニック・整骨院
医療系は、Googleの「Your Money or Your Life(YMYL)」に分類されるジャンルであり、情報の正確さと信頼性が特に厳しく評価されます。院長やスタッフのプロフィール、専門資格、対応できる症状・施術などを明確に記載したWebサイトの充実が不可欠です。
口コミについても、患者体験に関するリアルな声が積み重なっていることが重要です。ただし、医療機関特有の個人情報保護の観点から、口コミ誘導の方法には配慮が必要です。
不動産・リフォーム・工務店
不動産業は地域性が非常に高いビジネスです。「〇〇区 賃貸」「〇〇市 注文住宅」のような検索に対して、地域特化のコンテンツページを複数持つことが効果的です。施工事例やお客様の声を地域名とともに掲載することで、関連性と信頼性を同時に高められます。
ローカルSEO対策のステップを整理する
ローカルSEOの全体像を把握したうえで、実際の進め方を整理します。優先度の高い施策から順に取り組むことが効率的です。
まず、Googleビジネスプロフィールの登録とオーナー確認が最初のステップです。未登録のビジネスは論外ですが、登録済みでもオーナー確認が完了していないと情報の編集ができません。登録と確認を済ませた上で、基本情報を正確かつ充実した状態に整えます。
次に、NAP情報の統一を行います。公式Webサイト、Googleビジネスプロフィール、主要なポータルサイトの表記を洗い出し、不一致があれば修正します。これは一度きりの作業ではなく、情報変更のたびに全プラットフォームを更新する運用ルールを整備することが重要です。
並行して、口コミ獲得の仕組みを作ります。来店後の依頼フロー(QRコード、LINE送付など)を整備し、継続的にレビューが集まる状態を目指します。既存の口コミには漏れなく返信することも忘れずに。
その後、公式Webサイトのローカル最適化(地域コンテンツの充実、構造化データの実装)、サイテーション・被リンクの獲得へと施策を広げていきます。
成果が出るまでの期間は業種・競合状況・施策内容によって異なりますが、一般的には3〜6ヶ月程度で一定の変化が見え始め、継続することで順位が安定していくケースが多いです。初月から劇的な変化を期待するのではなく、中長期の視点で継続的に取り組む姿勢が求められます。
ローカルSEO対策は専門家への相談も選択肢のひとつ
ローカルSEOは、正しく取り組めば中小規模のビジネスでも大きな集客効果を生む施策です。しかし、自社だけで全てを対応しようとすると、優先事項の設定を誤ったり、知らないうちにガイドライン違反に近い施策を行ってしまったりするリスクもあります。
特に以下のような状況では、専門家への相談・外注を検討する価値があります。複数店舗を管理していてプロフィールの統一管理が煩雑になっている、競合の多いエリア・業種でなかなか順位が上がらない、NAP情報の整合性チェックや構造化データの実装をどこから進めれば良いかわからない、といったケースです。
ローカルSEOの支援サービスは、月額固定型・成果報酬型・スポット対応など様々な形態があります。自社のリソースと課題に応じて、外部の専門知識を活用することも、効率的な集客強化の手段のひとつです。まずは現状の課題を整理したうえで、専門家に相談してみることをおすすめします。
まとめ
ローカルSEOは、地域で集客したいビジネスにとって避けて通れない施策です。通常のSEOとは別の評価軸を持ち、Googleビジネスプロフィールを中心としたGoogleマップ最適化と、公式Webサイトのローカル対策を組み合わせて進める必要があります。
表示順位を決める「関連性・距離・知名度」の3要素を理解し、それぞれに対して具体的な施策を積み上げていくことが基本です。特に口コミの獲得・管理、NAP情報の統一、プロフィールの継続的な更新は、小さなビジネスでも確実に取り組める施策として優先度が高いといえます。
競合が多い業種・エリアでは、どこから手をつければ良いか、自社の現状がどのような状態にあるかを整理するだけでも相応の工数がかかります。また、施策の効果を測定しながらPDCAを回すには、ある程度の知識と体制が必要です。